瀧本労働衛生コンサルタント事務所(大阪)

石綿労災認定、160事業場追加発表 目立つ造船業


  発がん性のあるアスベスト(石綿)の健康被害をめぐり、厚生労働省は12
日、05〜06年度に石綿による労災認定などを受けた従業員がいた160事業
場の名称を追加公表した。特に造船業で、04年度以前に比べ認定者が急増し
た事業場が目立った。

  厚労省は3月、05〜06年度に労災認定者らを出した2167事業場の名称
を公表。その際、04年度以前にも認定者がいた事業場の名称は、「05年に一
度公表した」との理由で明かさなかったことを記者会見で強く批判され、今回の
追加公表を決めた。

  この日公表したのは、05年に既公表の158事業場と、3月時点で公表漏れ
していた新規の2事業場。認定者数や石綿の使用期間、作業内容に加え、今
回から事業場の住所も公表した。

  認定者は計710人(うち死亡492人)で、そのうち労災認定が466人(同24
8人)。労災申請の時効(死後5年)を過ぎた遺族を救う石綿健康被害救済法
(06年3月施行)の対象者が244人だった。

  疾病別の内訳は、肺がんが361人、中皮腫(しゅ)が339人、石綿肺が10
人だった。

  業種別では、配水管など石綿含有製品を扱う「窯業・土石製品製造」が39事
業場(182人)と最多。認定者数では、造船関連が36事業場で222人と最も
多かった。

(朝日新聞 2008年6月12日)


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