瀧本労働衛生コンサルタント事務所(大阪)

うつ病などで労災認定、1.6倍と急増 過労自殺も最多


  仕事上のストレスによるうつ病などで精神障害になり、06年度に労災認定を
受けた人が、前年度の1.6倍の205人に急増し、過去最多になったことが16
日、厚生労働省のまとめで分かった。そのうち「過労自殺」は同1.6倍の66人
(うち1人は未遂)で、やはり過去最多。脳・心臓疾患による労災の認定件数も
過去最多だった。厚労省は、長時間労働や成果主義の浸透などが主な原因と
みており、景気回復の足元で労働者の健康がむしばまれている実態が浮き彫
りになった。

  精神障害で労災が認められた人は、うつ病関連が106人、神経症やストレ
ス関連障害などが99人。職種別ではシステムエンジニアや医療従事者などの
専門技術職が60人で最も多い。年齢別では、働き盛りで負担の集中しやすい
30歳代が前年度の39人から2倍以上の83人に急増、全体の4割を占める突
出ぶりだ。

  請求件数も増加し続け、前年度より24.8%多い819件だった。

  過労による脳出血や心筋梗塞(こうそく)などで労災認定された人は2年連続
で増加し、前年度に比べ7.6%増の355人だった。過労死は10人減の147
人。請求件数は最多で同7.9%増の938件だった。

  認定された人の内訳はくも膜下出血など脳の疾患が225人、狭心症などの
心臓の疾患が130人。全体の9割にあたる323人が「長期間の過重業務」を
理由に認定された。

(朝日新聞 2007年5月16日)


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