瀧本労働衛生コンサルタント事務所(大阪)
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睡眠時間が短すぎても、長すぎても、うつ状態が強くなる――。こんな結果が
日本大学医学部の兼板(かねいた)佳孝・専任講師(睡眠疫学)らの研究で浮 かび上がった。眠りとうつの関係についての大規模な調査は珍しい。
厚生労働省による全国300地域・約2万5000人の調査データから、抑うつ
状態や対人関係、身体症状などを点数化し、うつの状態を評価。睡眠の長さや 「よく眠れたと思っているか」などとの相関を分析した。
その結果、20代〜70代以上のすべての年代で、睡眠時間が7時間台の人
たちのうつ状態の点数が最も低い健康的な状態だった。それより睡眠時間が 短くても長くても、点数が高くなる傾向がみられた。
またこれまで、早朝に目覚めてしまうことがうつの特徴的な症状の一つとさ
れていたが、今回の調査では、寝付きの悪さのほうが、うつ症状とのかかわり が強いこともわかった。
兼板さんは「因果関係はわからないが、うつの治療では寝付きなども注意す
る必要がありそうだ」と話している。
(朝日新聞 2006年11月29日)
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