瀧本労働衛生コンサルタント事務所(大阪)
![]()
がんで死亡した男性の約4割、女性の5%が、たばこが原因と考えられると
する推計を厚生労働省の研究班(主任研究者=祖父江友孝・国立がんセンタ ーがん情報・統計部長)がまとめた。年間約8万人がたばこでがん死したことに なる。
研究班は、国内で83年から03年に実施された三つの10万人規模の調査
データについて詳しく調べた。対象は調査開始時40〜79歳の男性13万997 4人、女性15万6796人の計29万6770人。
調査開始時の喫煙経験率(たばこを吸っている人と過去に吸っていたがやめ
た人の割合)は、男性79.5%、女性10.5%。平均9.6年追跡した結果、 が んで死亡したのは男性6503人(うち喫煙経験者5668人)、女性3474人(同 499人)。年齢を調整して解析した結果、喫煙経験がある人は、ない 人に比 べ、男性で1.79倍、女性で1.57倍、死亡率が高かった。
食事や運動など喫煙以外のリスクが同じと仮定すると、がんで死亡した男性
の38.6%、女性の5.2%がたばこが原因となった。人口動態統計にあては めると、年間に男性約7万4000人、女性約7000人がたばこが原因でがん死 した計算になる。
男性では、吸ったことがない人に比べ、調査開始時に喫煙していた人の死
亡率は1.97倍、過去に吸っていたがやめた人は1.5倍で、禁煙の効果もう かがえた。
(朝日新聞 2006年11月14日)
![]() |