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          瀧本労働衛生コンサルタント事務所(大阪)  
            過労による脳出血や心筋梗塞(こうそく)などで05年度に労災認定を受けた 人は330人で、過去最多だったことが31日、厚生労働省のまとめで分かっ た。このうち過労死者は157人だった。一方、うつ病などで労災認定を受けた 人は127人(うち自殺40人)。脳・心疾患は40〜50代、うつ病などは20〜30 代に多かった。 
            過労死弁護団の川人博弁護士は「景気が回復しても働く側の負荷は和らい でいない。特に若者はサポートもないまま即戦力としての働きを求められ、不適 応をおこす例が目立つ」と指摘する。 
            脳・心疾患による労災請求は869人で、前年の816人から53人増。認定も 294人から36人増えた。業種別では運輸業や建設業で増加していた。認定さ れた人は50代が前年より22人増の143人、40代も17人増の95人で、40、 50代が全体の7割を占めた。 
            背景には、慢性的な長時間労働があり、発症前の1カ月または半年の平均 で残業が月100時間以上だった人が半数を超え、29人は160時間を超えて いた。 
            一方、うつ病など精神障害による労災請求は年100件単位で増えており、0 5年度は656件で過去最多。認定された人のうち30代が39人、29歳以下が 37人で計6割を占め、特に20代の増加が目立った。職種ではシステムエンジ ニアや製造工が多かった。 
            都道府県別では、脳・心疾患は東京51人、大阪27人、神奈川17人。精神 障害は大阪19人、東京12人、福岡12人の順。 
          (朝日新聞 2006年5月31日) 
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