瀧本労働衛生コンサルタント事務所(大阪)
![]() 解析より−
【目的】私達は当社京都工場の交代勤務者にみられる健康影響の検討を試み
た。
【対象と方法】直接製造部門に所属する男性で、2001年12月から2002年11月
までの定期健康診断を受検した830名中、健康要保護者68名を除いた762名を 対象とした(年齢36.6±11.0歳、常昼勤務者99名、交代勤務者663名)。対象者 を35歳未満(n=375)、35〜49歳(n=252)、50歳以上(n=135)の3群に分け、各群 で常昼勤務者と交代勤務者のBMI、血圧、血液検査結果、心電図所見等を比 較検討した。
【結果】交代勤務者でHDL-Cの有意(p<0.05)な高値と、LDL-Cの有意(p<0.05)
な低値を認めた。重回帰分析では、勤務パターン(常昼/交代)のみがBMIに有 意(p<0.01)な寄与を示した。交代勤務者と常昼勤務者の間で、空腹時血糖 値、心電図異常の有無、飲酒・喫煙状況等の有意差は認めなかった。
【結論】交代勤務者では、健診結果への明らかな悪影響は認めず、常昼勤務
者に比べHDL-Cの高値ならびにLDL-C、BMIの低値を認めた。
(瀧本忠司、大東正明 大阪医学 38: 5-9, 2005)
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