瀧本労働衛生コンサルタント事務所(大阪)
過労や仕事上のストレスで、うつ病などの精神障害を発病して労災補償の認
定を受けた人が04年度は130人に上り、統計をとり始めた83年以降最多に なったことが17日、厚生労働省のまとめで分かった。30、40代が3分の2を占 めており、厚労省は「リストラ後の社内で、この世代に業務や責任が集中してい るためでは」とみている。自殺(未遂を含む)に至った「過労自殺」も45人で最 多となった。
精神障害による労災補償の認定者は前年度比22人増。男女別では、男性
84人(前年度77人)、女性46人(同31人)で女性の増加が目立つ。年齢別で は30代が53人(同40人)、40代が31人(同21人)と両年代で65%を占め た。病名では、心的外傷後ストレス障害(PTSD)などストレス関連障害が71 人、うつ病関連が59人だった。職種ではシステムエンジニアなど「専門技術職」 が43人で最多。製造工など「技能職」が24人で続いた。
一方、長時間・過重労働で、脳・心臓疾患を発病して労災補償の認定を受け
た人は04年度は294人で、このうち150人が「過労死」に至っていた。厚労省 が01年12月に過労による労災認定基準を緩和したことで、認定数は02年度 は過去最多の160人、03年度も158人と緩和前の3倍近い状況が続いてい る。
脳・心臓疾患での労災請求は816人で、前年度より74人増え、過去最多の
02年度(819人)に並んだ。
(朝日新聞 2005年6月17日)
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