瀧本労働衛生コンサルタント事務所(大阪)
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【目的】私達は、当社京都工場の直接製造部門に所属する男性従業員では、
交代勤務が及ぼす健診結果への明らかな悪影響は認めないことを報告した (第14回日本産業衛生学会 産業医・産業看護全国協議会、2004/10/30)。
今回私達は、定期健康診断における問診票のメンタルヘルス関連項目の解
析を行い、交代勤務が及ぼすメンタルヘルスへの影響の検討を試みた。
【対象と方法】2003年5月から2004年4月までの、当工場の定期健康診断受検
者1,049名(男性1,012名、女性37名)のうち、直接製造部門に所属する男性 813名中、健康要保護者81名を除く732名(平均年齢 35.9±10.9歳)を解析の 対象とした。定期健康診断における問診票の自覚症状に関する質問は19項目 ある。うちメンタルヘルスに直接関連する項目は、「何となく不安」、「夜眠れな い」、「イライラする」、「気分が沈んで憂うつ」、「話をするのが嫌になる」の5項 目である。該当する症状があれば、「いつも」または「時々」の欄にチェックをす る。
【結果】当工場の直接製造部門に所属する男性で、健康要保護者を除いた732
名を対象とし、定期健康診断における問診票のメンタルヘルス関連項目を解析 した結果、
1)40歳未満の者では、メンタルヘルスに関連した何らかの自覚症状の記載が
ある者は、交代勤務者で有意(p<0.05)に多かった。
2)40歳以上の者では、「夜眠れない」、「イライラする」との自覚症状の記載
は、交代勤務者で有意(p<0.05)に多かった。
【結論】定期健康診断の問診票を解析した結果、直接製造部門に所属する男
性では、メンタルヘルスに関連した自覚症状の記載は、常昼勤務者に比べ交 代勤務者で多い傾向を認めた。
交代勤務者では、ストレス・マネジメントや睡眠などに関した保健指導を行う
など、産業保健活動上での配慮の必要性が示唆された。
瀧本忠司、大東正明 演題番号202 第44回近畿産業衛生学会(2004/11/
06)
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