瀧本労働衛生コンサルタント事務所(大阪)

肥満・糖尿増え、運動減る 厚労省目標、20項目で悪化


   肥満や糖尿病の患者数が増え、運動量が減っている――こんな傾向が厚生
労働省のまとめでわかった。2010年までの国の健康づくり10カ年運動「健康
日本21」で掲げた健康状態や食生活など70項目の目標の達成度を調べたと
ころ、20項目で悪化した。同省は05年に中間評価をし、悪化した項目につい
て重点的に対策に取り組む。

  健康日本21は00年にスタートし、厚労省は1日にとる食塩の量、生活習慣
病にかかる人の割合など10年後に達成すべき目標を数値化。これに基づいて
都道府県が具体的な計画を立て、市町村が健康教室を開いたり、集団検診を
実施したりするなど健康づくりに取り組んでいる。今回、効果をみるため、国民
栄養調査などと目標値を比較した。

  肥満の割合では、20〜60歳代の男性で15%以下にする目標を立てたが、
97年の栄養調査では24%だったのに、02年には29%に悪化。女性は40〜
60歳代で20%以下を目標にしたが、25%から26%に上昇した。20歳代女
性では、やせすぎの人が23%から27%に増え、目標の15%以下から遠のい
た。

  日常生活の歩数は男性が8202歩から7676歩(目標9200歩以上)に、女
性も7282歩から7084歩(同8300歩以上)に減り、1日に食べる野菜は292
グラムから285グラム(同350グラム以上)になった。

  飲酒量では日本酒換算で1日に3合以上飲む人の割合が、96年度の健康
づくり意識調査で男性が4%だったのに、02年の栄養調査では7%になり、目
標の3.2%以下の2倍以上になった。健康診断を受ける人は増えているもの
の、糖尿病患者数は糖尿病実態調査で、97年の690万人から02年に740万
人(同1000万人程度)に増えた。

(朝日新聞 2004年11月8日)


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