瀧本労働衛生コンサルタント事務所(大阪)
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太った人に比べ糖尿病にかかりにくいと言われるやせ形の男性も、酒を飲む
習慣があると危険が高まることが、厚生労働省の研究班(主任研究者=津金 昌一郎・国立がんセンター予防研究部長)の調査で分かった。日本酒2合程度 でも、糖尿病のかかりやすさが倍になるという。
秋田と岩手、長野、沖縄の各県で、40〜60歳の男女計約2万9000人につ
いて、90年からの10年間の健康状態を追跡した。うち約1200人が新たに糖 尿病になった。
ボディー・マス・インデックス(BMI)という体形の指標を使い、飲酒と糖尿病と
の関係を分析。標準値の「22」以下のやせ形の男性では、日本酒に換算して 毎日1〜2合の酒を飲む人は、飲まない人の倍、糖尿病にかかりやすかった。 2合を超えると、リスクは3倍になった。
これは、同じ調査で分かった肥満によるリスク増大に匹敵するという。
結果をまとめた虎の門病院(東京都)の野田光彦・内分泌代謝科部長は「飲
酒を長期間続けるとインスリン分泌が下がる。やせ形はもともと分泌能力が低 い人が多いので悪影響が出やすいのではないか」という。
女性では飲酒する人数や量が少なく、関係は分からなかった。
(朝日新聞 2004年9月12日)
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