瀧本労働衛生コンサルタント事務所(大阪)

糖尿病患者、予備軍含め1620万人 厚労省調査


   国内で糖尿病になっている人は約740万人、可能性を否定できない「予備
軍」と合わせると約1620万人にのぼることが6日、厚生労働省の02年糖尿病
実態調査で分かった。5年前の初調査に比べ予備軍を中心に計250万人増
え、成人の6.3人に1人の割合になる。高齢化や食生活の変化で患者数は今
後も増えて2010年に1千万人を超える懸念もあり、同省は大台を超えないよ
う、生活習慣の改善や健診を改めて呼びかけている。

  調査は97年に続き2回目。昨年11月、全国の20歳以上の5792人を対象
に、問診や血糖値の状態の指標となる血液中のグリコヘモグロビン(HbA1c)
などの検査を実施した。結果を成人人口1億212万人にあてはめると、治療中
の人を含め糖尿病が「強く疑われる」有病者(HbA1cが6.1%以上)は約740
万人(前回690万人)で、「可能性を否定できない」予備軍(HbA1c5.6〜6.
1%)は約880万人(前回680万人)と推計された。

  有病者に比べて予備軍の伸び率が3割と目立っている。年齢別では、有病
者は60代男女、70代以上男性を除いて減少傾向なのに対し、予備軍は男性
は50代以上、女性は30代以上に増加傾向がみられた。同年代を男女で比較
すると、有病者は男性、予備軍は女性が多い傾向がみられた。

  糖尿病は神経障害、腎症、網膜症などの合併症につながり、心臓病や脳卒
中にも関係する。大部分を占める2型糖尿病の増加は動物性脂肪摂取の増加
など生活習慣の変化が関係しているとされる。調査では、93.8%の人が「正
しい食生活と運動習慣が予防に効果がある」という知識があったが、理解して
いても行動に結びついていないのが実情のようだ。

  同省生活習慣病対策室は「バランスのよい食事や毎日の運動などを心がけ
て予防に努めるとともに、健康診断を受けて早めに治療を始めてほしい」と呼び
かけている。

 (朝日新聞 2003年8月6日)


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