瀧本労働衛生コンサルタント事務所(大阪)

過労死の労災認定、過去最多の160件 02年度


  過労死で労災認定された人が、02年度は160人と前年度の58人から急増
し、過去最多になったことが10日、厚生労働省の調べで分かった。死に至らな
いまでも、脳や心臓の病気で労災補償の対象と認定された人を合わせると31
7人にのぼり、過去最多。過労による労災の認定基準を緩和した影響で、前年
度に比べ174人増え、40〜50代が7割を占めた。

  厚労省は01年12月、労災認定の際、過去半年の月平均の残業が80時間
以上ならば「疲労の蓄積」があったと認め、それまで「発症前1週間」に限って
いた対象期間を広げるなど、基準を緩和。その影響で、脳疾患202人(前年度
96人)、心臓疾患115人(同47人)と認定数が倍増した。

  業種別でみると、運輸業が72人、卸・小売業60人、製造業57人。職種別で
は、管理職が71人、運輸・通信従事が62人だった。年齢別では、40代が90
人、50代が128人だった。男性は301人で女性は16人だった。

  一方、過労による心的外傷後ストレス障害(PTSD)や統合失調症、うつ病な
どの労災認定も前年度の70人から100人に増加。男性は76人、女性は24
人。うち自殺(未遂も含む)は43人で、前年度より12人増えて、過去最多にな
った。

(朝日新聞 2003年6月10日)


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