瀧本労働衛生コンサルタント事務所(大阪)

「SARSウイルス」と命名 WHOが新型肺炎で断定


  世界保健機関(WHO)は16日、東アジアを中心に多数の死者を出している
新型肺炎の重症急性呼吸器症候群(SARS)は、新型のコロナウイルスが原
因と確認されたと発表。「SARSウイルス」と名付けた。日本を含む各国の専門
家をジュネーブに招集し、オランダ・エラスムス大によるサルの感染実験などを
もとに検討し、断定した。

    ◇

  病原体が断定されたことで、流行地への旅行を避けたり患者を隔離したりと
いった「守りの対策」に加え、ワクチンの開発など「攻めの対策」が可能になる。
WHOがSARSの警戒情報を出してから1カ月余。未知の病原体がこれほど早
く確認されたのは、感染症対策史上、初めてだ。

  SARSウイルスはすでにRNAの塩基配列も解読され、世界各国の研究機
関が協力して対策確立を目指している。

  病原体の特定を受け、厚生労働省はSARSを「指定感染症」に指定する。強
制入院などの措置をとる際、患者ごとに厚生労働相の指導を受ける手続きは
不要で、機動的に対応できる。

(朝日新聞 2003年4月17日)


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