瀧本労働衛生コンサルタント事務所(大阪)

和歌山大、来春から完全禁煙 大学側は「全国初の試み」


  和歌山大学は来春から、学生や教職員、外来者も含め、キャンパスを完全禁
煙にする方針を決めた。14日の定例会見で小田章学長が明らかにした。同大
によると、全国の4年制大学でこうした試みは初めてという。文部科学省も「聞
いたことがない」としている。

  小田学長は「まず8月から分煙を強め、来春にはすべての灰皿を撤去した
い。禁煙の範囲は教員の個室も含め、大学の敷地内すべて。外来者も対象」と
述べた。今後、教授会や学生集会で説明し、理解を求めていく。

  学内では、昨年10月に副学長や保健教員らでつくる「喫煙対策小委員会」
が設置され、禁煙や分煙の方法について検討してきた。

  昨年の学内調査によると、和歌山大の学生や院生のうち、男性25%、女性
8%が喫煙者。男性では1年生は12%だが、4年生になると34%と高くなる。
女性では1年生で2%、4年生は13%に上がる。教職員では男性36%、女性
2%が喫煙者という。

  入学後に吸い始める学生が目立ち、吸い始めると習慣になってしまうことか
ら、小委員会は「初めから学内で吸えない環境をつくることが必要」と全面禁煙
で一致した。

  教授会では「人前で吸う人は『受動喫煙の加害者』と自覚してほしい」という
声が強いが、一部では「たばこがないと研究がスムーズに進まない。イライラが
募るだけ」という反発も出ている。

  小委員会メンバーの本山貢・助教授(健康科学)が昨年10月に1年生を対
象にしたアンケートでは、504人が回答。全面禁煙に「賛成する」86%▽「大
変困る」4%▽「少し困る」10%だった。小委員会はこの結果を踏まえ、来年度
からの全面禁煙の検討に入ったという。

(朝日新聞 2003年4月14日)


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