瀧本労働衛生コンサルタント事務所(大阪)
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坂口力厚生労働相は8日、じん肺から肺がんを併発した人をすべて労災認定
の対象とするため、じん肺法施行規則などを改正する案を労働政策審議会じん 肺部会に諮問し、原案通り答申された。来年4月から施行する。
現行の基準では、比較的症状の重いじん肺患者が肺がんを併発した場合に
労災と認定されているだけで、原則的に、肺がんは補償の対象外だった。しか し、厚労省の検討会が今年8月、「肺がんを併発するリスクは一般の人より高 い」として、初めて医学的な因果関係を認める報告をまとめた。今回の改正によ り、じん肺と診断された人が肺がんになった場合、すべて労災補償の対象とな る。じん肺は症状の重い順に管理4―2の三段階に区分されている。厚労省に よると、2001年末時点でじん肺の所見がある人は約8万人とみられる。ここ数 年、管理四の患者のうち、年間20―40人が肺がんを併発し、労災認定されてい る。
(日本経済新聞 2002年11月8日)
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