瀧本労働衛生コンサルタント事務所(大阪)

健診にみられた耐糖能異常の背景因子に関する検討−飲酒
習慣との関連−

 論文要約

 【目的】私達の職域でHbA1c≧5.6%の者は、男性に高頻度にみられることを
報告した。今回私達は、飲酒習慣とBMIや耐糖能異常との関連を検討した。

 【対象と方法】定期健康診断の受検者14,012名(男性12,024名、女性1,988
名、年齢46.6±6.5歳)を対象とし、健診結果と問診票より飲酒習慣とBMI、
HbA1c等との関連を検討した。

 【結果】γ-GTPとBMIは飲酒量と共に有意(p<0.001およびp<0.05)に増加した
が、HbA1c値は同様の傾向を認めなかった。男性では週2〜5日以上の飲酒者
でHbA1c≧5.6%の者が多い傾向を認めた。

 【結論】1日1〜2合以上の飲酒者では BMIが増大する傾向を認めた。男性で
は1週間の飲酒回数の多い者で耐糖能異常者がやや多い傾向を認めた。

(瀧本忠司、竹村 芳、高山純一 逓信医学 52: 75-80, 2000)


トップへ
トップへ
戻る
戻る