瀧本労働衛生コンサルタント事務所(大阪)

健診にみられた耐糖能異常の背景因子に関する検討−性、
年齢、BMI等との関連について−

 論文要約

 定期健康診断における耐糖能異常の現状と背景因子につき、受検者13,492
名(年齢46.0±6.4歳、男11,511名、女1,981名)を対象に検討を試みた。

 HbA1c≧5.6%の者は女性(5.0%)に比べ男性に高頻度(12.0%)で、男女とも加齢
とともに、またBMIが24 kg/uを越えると増加した。しかし男性ではBMIが24 kg
/u未満でも、HbA1c≧5.6%の者は10〜11%を占めた。

 またHbA1c≧5.6%の者では5.6%未満の者に比べ年齢、中性脂肪、γ-GTPが
高く、HDL-コレステロールが低い傾向を認めた。HbA1cを従属変数とした重回
帰分析では年齢が最大の因子で、以下コレステロール、性別、BMIなどが抽出
された。

 糖尿病の一次予防のためには、肥満の防止や是正を含めた生活習慣の改
善が必要と考えられた。

(瀧本忠司、宮崎 淨、高山純一 逓信医学 51: 105-109, 1999)


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