瀧本労働衛生コンサルタント事務所(大阪)
長時間労働などが原因で脳や心臓に疾患が残ったり、死亡に至る「過労死」
の労災認定が、2001年度は前年度比68%増の143件で過去最高となったこと が、厚生労働省が22日まとめた調査で分かった。このうち47件は、同省が昨年 行った基準緩和に基づく認定だった。同省は「基準見直しにより、認定件数は 今後も増える」とみている。
請求件数は690件で前年より12%増。認定された143件のうち、脳血管疾患
は96件で前年の2倍。最も多かったのは脳内出血の51件で、次いでくも膜下出 血30件、脳こうそく15件と続く。心臓疾患は47件で前年より10件の増加。心筋 こうそくが半数を占めた。認定件数のうち死亡事例は58件で、前年度より13件 増。世代別では、50−59歳が最も多く6割増の49件。次いで40−49歳が38件 だった。
業種別で前年より増加が目立ったのが運輸業で、28件と前年度から倍増。職
種別でも「運転手など」が2.5倍の30件となった。
(日本経済新聞 2002年5月23日)
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