1 水王国の長い能書き
TANZAWA水王国にいらしていただきましてありがとうございます。
1水王国について
いわゆる丹沢の名前のゆらいと申しますとして「谷の山」と言うことだそうです。
文字どおり谷の山は僕にとって「沢の王国」であり、「水の王国」でもあります。
首都圏に最も近い場所にありまして、これほど複雑な水域と、その中に存在する滝の多さは驚きとしか言いようがありません。
丹沢と申しますと交通の便もよく、首都圏で山に登る人であるならば必ず一度は行く場所であり誰でも当たり前に知っている場所と言えます。また案内書においても隅々まで紹介つくされた感があります。
紹介しつくされて未知度もかなり薄らいでいる山域に見えますが、しかしそうでしょうか。
日常生活においても当たり前に見えているものが見方を変えるとすごく新鮮で、感動的になったりすることがありませんか。いわゆるマンネリ化と言う先入観で物をみているからかも知れません、
丹沢において私自身いままでの先入観と本などによる情報によって固定観念のまま歩いておりました。しかしこうあってもいいんじゃないか、僕ならこうした方が楽しい、などと思うようになりました。
話は変わりますがだいぶ以前日本では未踏の山だの、沢、岩場などがたくさんあって、純粋にそれを目指すことによって大変充実感をえられていました。でも今はそんな所はほとんどなくなってしまい、目標となるべきものを喪失してしまって山への情熱はかなり薄らいでしまったようです。
でも僕が思うに、かえって未踏の地が無くなってしまったことで、良い面が出てきたのではないか考えています。
未踏の山の場合、まず初登頂があり次から単独初登頂、冬期初登頂、バリエーション、岩壁など。体力と精神力の限りを尽くしての登頂記録が出ます。しかしそれも終了するとそれらの件でメディアに載るのことはまずなくなります。難攻不落を誇っていたガレ場化した危険な岩場も初登が終わると見向きもされなくなります。
初ものの終焉によって情熱は消え失せて行くようです。
しかしそういった初ものの終焉からが本当の山登りの楽しみになるのではないかと考えます。素晴らしい景色とか、快適な岩場、巨大な山など、五感に訴える山はいつも楽しいです。何人目の登頂だろうが楽しいものは楽しい。より難しくなくても、より高くなくても、自分にとって楽しいことをしたい。と言う感じでしょうか。
価値観が相対化してしまっているのですから、自分の価値観もみんなに合わせる必要もないです。また本に書いていなくても自分がこうやったら楽しかった、と言う内容はその人にとって楽しいわけで大手をふって楽しく行えばいいわけです。この山をどお言うふうに登ろうかな、などと考えるのも良いかもしれません。
僕などもそんなわけで、自分が楽しいなと感んじる行動を実践していくのが誰が何と言おうと楽しい。そのような事が続いています。
丹沢はもう手垢の付くくらい紹介され、誰もが入山して語り尽くされた、普通の1600mくらいの山域です。「ああ丹沢ね」と言うかんじで軽くあしらわれそうです。
なんでいまさら丹沢なの、と聞かれますと返事にこまりますが。
沢が多い滝が多い。いわゆるウエットでみずみずしい、いろいろ自分で工夫した遊びができる、近いので同じ所に何度も行ってボーッとできる、自分の感性に訴えてくるものがある、その他いろいろ。
などと言う具合です
2 水王国 ウエットでみずみずしい場所
丹沢においては水遊びとか沢歩きのみ専念しているわけではありませんが、僕にとっての水王国である由縁はやはり水です。山域全体に毛細血管のように走る沢と枝沢をめぐり歩くことは楽しいことです。ウエットでみずみずしくて、うるおっていて。
一つの枝沢の中にちょっとした滝とかお気に入りの風景でもあれば無上の喜びとでも申しましょうか。一種の宝探しのようなもので、沢の出合にて、ここにはどんな宝石が眠っているかな、などと勝手な気持ちでウキウキしたりもします。
そこが既存のルートであっても案内書どうりな沢などほとんどありません。案内書の筆者が良いと書いていても、僕にとってどうかわかりませんし、その沢の中においても僕の感性に訴える場所がなきにしもあらずです。またその沢の途中に出てくる枝沢は大いに魅力的です。
と言うことで一度行ったからすべてを知ったわけでもなく、また四季おりおりの風情とか、そう考えてくると終わりのないネバーエンディングとなってきます。
また登るにしても今回はこんな登り方をしようかと、日ごろから考えておいてそれを実践したりします。オリジナルな登りかたがうまく行くとどんな小さな山だろうと沢だろうとすごく感動できるわけです。
おなじ山をなんども歩いていますと、いままで見えなかったものが見えてきたり、感じられたりします。半日峠のはじっこでボーッとして何かすごく充実したり、出発点の登山口の付近が気に行って日がな一日そこにいて帰宅なんてこともたまにやったりして楽しいです。
ここに書いてある内容は人によって大いに楽しめのものもありますが、「なんじゃこりゃ」と言う内容もあるわけです。
はじめた当初からまわりで「なんじゃこりゃ」状態でしたのでいまさら何を言われても全然へーきですが。
と言うことでこの辺は面白そうだなという点がありましたら参考にしてみたりして下さい。
また私ならこうするネ、とか「私ならカエルネー」とお考えになりましたら自分で実行してみて楽しんでみて下さい。