坐禅のすすめ
平成14年円通誌45号に掲載されました。

この「円通」誌を読まれている方の多くは臨済宗の檀家であると思われます。臨済宗の中心になるのは坐禅でありますので、是非、坐禅に親しんでいただきたいものです。
坐禅というとどうやら足の組み方やら背筋の伸ばし方、目の開き方や呼吸の方法など、いろいろと難しいことばかりを想像されるのではないでしょうか。しかし坐禅は難しいものではありません。呼吸を整え、体を整え、心を整えるものです。
今日を省みるにいかに心の修養が大事かよくご存じであると思います。子供たちがすぐに切れたり他人を傷つけたり、大人たちは社会のせいにして自らを慰め政治が悪いと言い訳し情けなくも酒を飲む。何か大事なものがひとつ足りないとすれば、心の修養でしょう。
心さえよければすべてうまくいくわけでもないでしょうが、心は大切な要素です。もちろん心を整える練習をしていたとしても切れることや荒れることはあるでしょう。しかし、少なくとも坐禅に親しんでおけば心がすさむ状況や回数は軽減されると思います。ここでは坐禅の呼吸法について簡単に説明するにとどめておきます。
まず、深呼吸であります。出来る限りゆっくりと呼吸をするのがいいが、しかしそのために集中力を欠いてしまってもいけません。ゆっくり、というよりもゆったり呼吸をする感じです。
次は数息観。呼吸を整える方法です。よく言われるのが「一から一〇まで数を数えます、一〇まで数え終わったらまた一に戻って数えます、途中で数がわからなくなったらまた一から数えます」という方法です。これだけならばすぐにでも始められるのではないでしょうか。
もちろんこれだけにとどまらず正しい足の組み方や背筋の伸ばし方などを習われることをお勧めします。各寺院の和尚様に聞けば答えてくれるでしょう。
坐禅の入り口を簡単に説明してみました。各和尚様によっては違う考え方があったりするとは思いますが坐禅の入り口は簡単なものです。ただし、奥は深いです。興味をもたれたら和尚様に相談されたり坐禅会に参加されたりして坐禅の奥の深さも体験していただきたく思います。

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