とらいあんぐるハート3〜Sweet Songs Forever〜
ivory・janis/評価:8.7


シナリオ:9

主人公の高町恭也は「小太刀二刀・御神流」の数少ない伝承者の一人。亡き父との約束である妹の美由紀を1人前の御神の剣士にするため日夜鍛錬を続けている。その2人を暖かく見守る家族と家族同然に暮らしている人達。季節は春、代わらない日常に微妙なアクセントを奏でる新たな出会いと予感。そして歯車は動き出す・・・。
シナリオは定番となった3部構成で展開されるが、今作では2部と3部の境界がちょっと曖昧になっている。これはクリアーキャラが2人一組で構成されている為だと思うが、全作までの恋人として「付き合いだしてから」のシナリオを壊してしまった感じを受けて残念です。またこの展開によりフィアッセを最初にクリアーしようとすると美由紀の中途半端なEndを見なくてはならないと言う弊害も生んでしまい大きなマイナス要因になっています。クリアー対象は新キャラのみで各キャラHappyEndは1つ。Badendにしようとしない限りクリアーは難しくありません。但し継親桃子と妹のなのははクリアーできないので、自動的にBadendになります。当然以前のキャラもシナリオによっては登場します。また2つ隠しシナリオが用意されており、何人かクリアーするとプレーできるようになります。今回のプレーで一番辛かったのはHシーン。3部中盤から連続して起こるHシーンには正直辟易しました。前作まででは上手く取り入れていたのですが、今作では単にCGを収集している感じがしたのが残念です。但しあくまで前作と比べての評価であり、他の作品と比べると展開、構成とピカイチの出来映えなのは 言うまでもありません。


システム:9

プレー方法は1部&2部では学校、街中、自宅でクリアーキャラを選んでシナリオを進めていきます。選択できる回数は移動力によって決まっており、移動力がなくなり次第次のターンに進みます。クリアーキャラのシナリオに進んでも意中のキャラが必ず居るわけではなく、他キャラとの日常的な会話で終わる場合もあります。「2」で採用されていた強制的に次のターンに進める「End」選択がほとんどないは残念でした。キャラとの会話では受け答えに選択が出る場合もあり、選択肢によってはタイマーが付いている物もあります。選んだ時間によって会話内容に微妙な変化が起こり、場合によって選択肢が追加されることもあります。セーブ・ロードはいつでも出来、クイックセーブ・ロードや選択肢自動セーブもあります。スキップは1度見た物のみを飛ばすことも可能ですが、この場合最初の会話部分のVoiceもスキップされてしまいます。設定によりタイマー選択肢の有無、画面のフルスクリーンorウィンドウ、マウスの右クリック割り当て等細かく選べます。またいっさい手を触れなくても一定時間ごとに自動選択でゲームが進んでいく「手放しモード」もあります。ログもいつでも最初から読み 返せるようになっています。またシナリオも1度クリアー後、プロローグ、1部を飛ばせる機能も健在です。どの機能もゲームをプレーする上で(REVIEWを書く上ででもですが)快適に感じます。1度見たCG、Hシーンの回想、BGMもSPECIALで楽しむことが出来ます。


音楽:9

OP、EDともI’v作。正直管理人は昨今のI’vだらけに辟易しているので手放しでは喜べませんでした。やっぱり「風に負けないハートのかたち」のようにメチャメチャへたっぴな個性的な物の方がとらハらしかったと思います。とは言えOP「涙の誓い」の出来は良くアニメーションにもよく合うクオリティーの高い仕上がりなのは否定できません。Endingは今回も2種類用意されておりキャラによって「君と出会えた季節」「See you〜小さな永遠〜」に分かれます。「君が言いかけてた あの時の言葉がわからなくて もう一度戻れるなら 抱きしめて 心に触れてみたい」・・・、久々に管理人の琴線に触れましたね。BGMはテーマ別に事細かく用意されています。


キャラ:7

「1」「2」に比べるとおとなしめになったが気がするが、それはシナリオのせいかな?相変わらず超能力者にヴァンパイア、アンドロイドと個性派ぞろいです。但し最終章に当たるためか「1」「2」のキャラ属性を系統しているキャラがいるため(これはシナリオにも言えることですが)に自由度がちょっと失われてしまった気がする。今作のヒロインはどの娘も芯が強くちょっととらハの雰囲気からずれている感じもします。


Voice:8

主人公以外は男女問わずフルVoice。萌え系ゲームだけあって出来映えは相変わらずピカイチです。但し修正ファイルをDLしないとVoiceが割れたり、引っかかったりする部分があります。


CG:10

通常シーンではバストアップが数種類。イベントでは表情等の変化により数種類のパターンがあります。イベントCGは萌え系の本領発揮!って感じでメチャメチャインパクトのある物が多いです。とらハシリーズを通して言えることですが、どんなカットのCGでも表情が崩れていないのは本当に感心しています。


総論

とらハシリーズでは最高得点、管理人のREVIEWでも歴代3位に入る作品となりましたが、全体的なまとまりが高得点に繋がった感じは否めません。ちなみにシリーズ一番のお気に入り作品は1作目、ヒロインは「春原七瀬」嬢です。最終章に当たるため完全に萌え系にのみ突っ走った作品に仕上がっていました。設定を変えていつまでも続けられる人気シリーズを綺麗な形で終了させた勇気には感服します。正直ちょっと残念だけどね。しかし最後まで「とらいあんぐる」になるキャラ(シナリオも)が正式には出てこなかったですね。

<攻略キャラ>
・ノエル=エーリヒアカイト
今作品での一番のお気に入りです。このキャラはやっぱりロケットパンチにつきます(^^;)。但し忍とEndが重複するためいまいち盛り上がらないのが残念。最後のCGが一番印象てきかな?

・フィアッセ=クリステラ
惜しくも次点に甘んじてしまいましたが、ファーストインプレッションではダントツのキャラでした。発売前の人気投票でもこのキャラに入れています。一応今作のメインヒロイン的扱いを受けています。お姉さん的属性をメチャメチャ発揮しているのはさすが萌え系です。

・月村 忍
ちょっとミステリアスでクールな同級生。ノエルがいなければダントツ1位にランクインしたかもしれません。本当にノエルとEndがかぶっているのが残念です。管理人が弱いクール系美少女属性を遺憾なく発揮してくれます。「1」の綺堂さくら嬢を系統しているのでシナリオが読めてしまえるのもちょっと残念でした。