「闇の中の笛声」
出現した青い炎は
会ったばかりの私たちの
つたない愛撫にも似て
ただの少しも隔たった距離を埋めないばかりか
時を選ばず夜の静寂に彷徨い出る
からっぽの心が
らせんの哀しい裸形をランプの下に絡み合わせ
とめどなくあふれた涙は
きのうまでの川の源流をながれ
めしいた羊の背中にまたがる心許なさに変わりはないのだが
きょうから目指す場所は
まっすぐつながった一本の道の果てにあるのだと
しのびやかに聞こえてくる笛の音は
ただあなたを信じろと、遙かな響きで告げている
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