WEB詩集『昭和の森の子どもたち』



『 ”ウロボロスの蛇”の卵から孵った、一輪の白い花の伝説』
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あいをうたうわたしのことばをくちうつしであなたにつたえたい

るるるららりーたろんどろんどろんど

けしてさめることのないゆめのなかにいるのよわたしたちふたり

るるるららりーたろんどろんどろんど

とびらのそとをうかがいおってくるてきをきにしつづけるあなた

るるるららりーたろんどろんどろんど

そっとだきしめてそのやわらかいかみにふれしずかにくちづける

るるるららりーたろんどろんどろんど

えいえんのくにできのうなくしたじそんしんとじふとじこけんおを

るるるららりーたろんどろんどろんど

かいすいぎょたちがつがうとこしえのくにのあおいみずうみにはなち

るるるららりーたろんどろんどろんど

ほしまでのきょりをかぞえなおしているつぎのげっしょくはいつかしら

るるるららりーたろんどろんどろんど

わたしたちじしんはにひきのうみへびになってからだをからめているのよ

るるるららりーたろんどろんどろんど

あなたのあおいうろこきれいぎらぎらあなたのめもちもほねもとてもあおい

るるるららりーたろんどろんどろんど

わたしのあかくてながいしっぽであなたのからだをしめつけてはなさない

るるるららりーたろんどろんどろんど

つぎにうまれおちてくるときはこんどはにとうのふたこぶらくだとして

るるるららりーたろんどろんどろんど

まえのこぶにもうしろのこぶにもゆめをたくさんたくわえてたびする

るるるららりーたろんどろんどろんど

こんどこそいくさのないだいちにうまれてきもみかたもないくにで

るるるららりーたろんどろんどろんど

ぶぞくもしゅうきょうもみぶんのちがいもなくめぐりあいたいと

るるるららりーたろんどろんどろんど

さめざめとほほをつたいながれおちるなみだをなめあうふたり

るるるららりーたろんどろんどろんど

おいつめられているのにこんなにもからだのしんがあつくなる

るるるららりーたろんどろんどろんど

あいをおえてわたしたちはちいさなたまごをすなにうみおとし

るるるららりーたろんどろんどろんど

おたがいののどをかみきってふたりいっしょにいのちおえるの

るるるららりーたろんどろんどろんど

わたしたちがしねばせんそうはきっとおわるのでしょうか

るるるららりーたろんどろんどろんど

あなたのくにとわたしのくにのこのおろかなあらそいは

るるるららりーたろんどろんどろんど

そうさけんでにひきのへびにすがたをかえたふたりはいきたえ

るるるららりーたろんどろんどろんど

さばくにからみあったままぼひょうのようなしかばねとなり

るるるららりーたろんどろんどろんど

そのにくやちはさばくのさそりたちにくいつくされたのだが

るるるららりーたろんどろんどろんど

うみおとされたきんいろのたまごだけはしずかにいきづいていた

るるるららりーたろんどろんどろんど









るるるららりーたろんどろんどろんど

そしてながいときがすぎてそこにすんでいたひとたちはいなくなり

るるるららりーたろんどろんどろんど

とおいむかしそこでいくさがあったことさえもいつしかわすれられた

るるるららりーたろんどろんどろんど

だがあたらしいひとがあつまりあたらしいひとがつどいあたらしいまちで

るるるららりーたろんどろんどろんど

まためぐりめぐってあたらしいいくさがはじまろうとしている

るるるららりーたろんどろんどろんど

かぎられたみずをだれがいちばんおおくはたけにひくかとか

るるるららりーたろんどろんどろんど

だれがばざーるでいちばんいいばしょをもらうかとかの

るるるららりーたろんどろんどろんど

はじまりはちいさないさかいがしだいにはげしいにらみあいとなった

るるるららりーたろんどろんどろんど









るるるららりーたろんどろんどろんど

だれがあたためなくともきっとたまごはしぜんにそのときをしり

るるるららりーたろんどろんどろんど

あるひきゅうにきんいろのからはぱちんとふたつにわれおちて

るるるららりーたろんどろんどろんど

なかからきこえてきたのはだれもきいたことのないやさしいうた

るるるららりーたろんどろんどろんど

うそはほんとうほんとうはうそあらそいはもうやめてだれもわるくない

るるるららりーたろんどろんどろんど

うばうのではなくわかちあいましょうともにゆるしあいましょう

るるるららりーたろんどろんどろんど

たまごからうまれたのはあいのうたうたうしろいだれもしらぬはな

るるるららりーたろんどろんどろんど

みるみるめのまえにあおいゆたかないずみがわきこんこんとふきだした

るるるららりーたろんどろんどろんど

このみずはへいわのいずみのんだひとはおもいだすへいわをいのってしんだふたり

るるるららりーたろんどろんどろんど

このいずみはあいのいずみのんだひとははじめてわかるひとのこころのいたみくるしみ

るるるららりーたろんどろんどろんど

このいずみはいのちのいずみのんだひとはおもいいたるだれもがみなやさしくてかなしい

るるるららりーたろんどろんどろんど

このいずみはやすらぎのいずみのんだひとはやがてきづくあらそうことがおろかだと

るるるららりーたろんどろんどろんど



るるるららりーたろんどろんどろんど

たまごからうまれてきたあいのうたうたうはなゆらゆらゆれて

るるるららりーたろんどろんどろんど

あらそいのないだいちをねがいきょうもまたうたいつづけている

るるるららりーたろんどろんどろんど

ひびけへいわのうた あいのうた ひきさかれたいのちのうえに さきつづけろ

るるるららりーたろんどろんどろんど

わすれないでへいわなくにをねがってしんだひとびとたちのながしたあついなみだを

るるるららりーたろんどろんどろんど

きんいろのたまごから かえった ふしぎなはな が かたるでんせつを こうして

るるるららりーたろんどろんどろんど

わたしは みずかがみのまえで きょうも また くりかえし ささやきつづけて いる







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構成・詩文・デザイン  朋田菜花



イラスト  かね









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