WEB詩集『昭和の森の子どもたち』



 「Milk Boy, Milk Girl」



[Milk girl]と名付けたフォルダに収まっている

気取り屋のあなたの他人には見せられない未公開映像

白い球体のうえでふんわりまどろんでいる慟哭のカウボーイを

500万ボルトの恋に染め上げたのは

何を隠そうロボットボイスのこの私



あの夏、名高い映画都市の坂道で突然鳴きだした蝉

まるでファースト・キスの前触れのように



君は、夜の虹を見たか?!



Milk Boy, Milk Girl 甘えん坊なのはどっち?



傲慢男への三行半はディストーションのノイズで十分

薄情女への手切金はコロニアル・マンションの家賃半年分

もうママがとっくに払ってくれたのよ



さあ、だから古い恋は西海橋から運河に放流して

生まれたばかりの恋に生きよう

さあさ、覚え立てのヒップなダンスで踊り明かそう



Milk boy, Milk girl 神託銀行から盗んできたインスピレーション



でもね、サイボーグに成り立ての私は空を上手に飛べなくて

いつのまにか、あなたにしっかり捕獲されていた

「黄昏時はさみしいよ」なんて涙見せられると弱いの

泣き落としの特権はいつから男の子の専売特許になったの?

私の純白のドレスには涙のしみあと着けないでね、うふふ



さあさ、我儘天使から略奪した媚薬の効果がそろそろ効いてきたでしょ

あなたのハニーボイスの魔法で、テティベアたちが一斉に騒ぎ出したから

さあさ、夜通しキャミソール一枚で

あなたのためだけのファイア・ダンスを踊ってあげるわ










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