「七つ星の伝説

¨・¨∵:*:∵¨・.*.・¨∵:*:∵¨・¨

***


 
 
 由緒正しい天文学者Zは生真面目だが

  勤勉実直だけが取り柄の男

  彼には7人の娘がいた

  竪琴と踊りと礼儀作法を教えた

  みんな眉目秀麗、典雅でたおやかと

  近隣諸国でも評判で

  彼と妻には自慢の娘たちだった

  一人目の娘は木蓮を愛して、隣の国の王妃の腰元になった

  二人目の娘は牡丹を愛して、国王の妻の髪結いとなった

  三人目の娘は雛菊を愛して、大臣の娘の教育係となった

  四人目の娘は薔薇を愛して、土地の領主の後添いとなった

  五人目の娘は鈴蘭を愛して、国一番の緞通織りとなった

  六人目の娘は芙蓉を愛して、父母の傍らで家事にいそしんだ

  だが7人目の娘は少し変わり種

  いつも人と違っていた

  七人目の娘は夕顔を愛して、故国を遠く離れて旅に出た

  たった一つの竪琴を抱えて‥‥

  そう、七人目の娘は私

  いつも流れに逆らいながら生きる

  星と月と花と風と雪と雲と虹と歌と愛を胸に

  いつだって一人

  どんなときも一人




  だけどこれは300年前の記憶

  今世紀の記憶はこれからあなたと造りたい

  たった一人の大切なあなたと

  今すべてのプリズムが音を立てて壊れて

  私の前世紀の記憶は砕け散った

  今この瞬間から二人で

  あなたと二人で



  私は、七つ星の七番目の娘

  星と月と花と風と雪と雲と虹と歌と愛を胸に
  
  今日から、あなたと生きる






***

¨・¨∵:*:∵¨・.*.・¨∵:*:∵¨・¨