「森の午後」
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みどり
ざわめく碧の風が
あなたの中のひどく透明なものを呼び覚ます
残酷なくらい純粋な野性と
見果てることのない真理への渇望
大都会25時からドロップ・アウトした週末
深い渓谷へ迷い込んだ夏の日
ポケベルで呼び逢う恋人たちの代わりに
ここには 求愛のさえずりを交わす小鳥たちがいる
ー 森へ、森へ ー
蒼いささやきがあなたを呼んでいる
磨ぎ澄まされた気流が
怠惰な小理屈をすべて剥ぎとってしまうから
あなたとわたしは生まれたままの裸身で
透き通った渓流に足を浸すしかない
ー 森へ、森へ ー
はるかな木立があなたを呼んでいる
樹々の放つ薫風が
大脳皮質に刻まれた原始の記憶をゆさぶるから
あなたとわたしは背中に生えた翼で
ﾊﾟ ﾝ ﾌ ﾙ ｰ ﾄ そら .
牧神の笛の音にのって蒼穹へと舞い上がる
ー 森へ、森へ ー
大地の潤いの中に隠された秘密に手を触れれば
永遠の扉は開き
冷たい泉のように真実があふれだす
あなたとわたしはθ波のウェーブに溺れ、漂いながら
やがて静かに 超時空、超自我の愛に抱かれる
ゆらり、ゆらり
白日の惰眠のように
ゆら、ゆら、ゆらり
あなたはもう、どこにもいない
わたしももう、どこにもいない
もう、だれも‥‥
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