「独り言、或いは8:30への私信」

¨・¨∵:*:∵¨・.*.・¨∵:*:∵¨・¨

***


 

 昨日のこと

森の広場の片隅で

汚れた新聞紙の切れ端を見つけた



午前33時97分の時計のもと

まっすぐに生きるあなたの

内に秘めた苦悩など思いも寄らない

鹿爪顔の陽気な梟は

からかってみたり説教してみたり



でも、人がなんと言おうと気にすることはない

あなたはあなたらしく生きればいい

そして

わたしがどうあろうと気にすることはない

あなたはあなたの森を行けばいい



あなたは

あなたの一番大切なもののためだけに生きて欲しい

私のために

無理をすることはないのよ

午後68時74分の時計の長針と短針がキスをしたら

森の空は四十八夜の月で露草の色に染められて



あなたが来たいときにいつでもこの扉を開けてね

そして何年来れなくても

何十年来れなくても

私はきっと忘れない



あなたと重ねたグラス

あなたと演じた舞台

あなたと見た輝き



あなたが来たいときにいつでもこの扉を開けてね

午前44時127分の時計の針が8:30のメロディを再生し終えるまで

いつでも私はここにいるから

約束するから






***

¨・¨∵:*:∵¨・.*.・¨∵:*:∵¨・¨