「独り言、或いは8:30への私信」
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昨日のこと
森の広場の片隅で
汚れた新聞紙の切れ端を見つけた
午前33時97分の時計のもと
まっすぐに生きるあなたの
内に秘めた苦悩など思いも寄らない
鹿爪顔の陽気な梟は
からかってみたり説教してみたり
でも、人がなんと言おうと気にすることはない
あなたはあなたらしく生きればいい
そして
わたしがどうあろうと気にすることはない
あなたはあなたの森を行けばいい
あなたは
あなたの一番大切なもののためだけに生きて欲しい
私のために
無理をすることはないのよ
午後68時74分の時計の長針と短針がキスをしたら
森の空は四十八夜の月で露草の色に染められて
あなたが来たいときにいつでもこの扉を開けてね
そして何年来れなくても
何十年来れなくても
私はきっと忘れない
あなたと重ねたグラス
あなたと演じた舞台
あなたと見た輝き
あなたが来たいときにいつでもこの扉を開けてね
午前44時127分の時計の針が8:30のメロディを再生し終えるまで
いつでも私はここにいるから
約束するから
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