【範囲選択と編集機能について】

更新日 1997年3月18日


Windows 上で、目的に合わせて色々なプログラムを利用されると思いますが、ワープロに限らず、殆どのプログラムで文字の入力が必要になります。そのため Windows の設計方針では、文字を入力するいかなる場面でも、共通の編集機能が働くように工夫されています。

ワープロや表計算の場合は、画面全体の領域で文字を入力するのが当たり前で、その他のプログラムの多くは、ダイアログボックス(機能・目的別の小さなウィンドウ)内の一部で文字入力することが多いのですが、広い領域で入力する場合も、限られ狭い領域で入力する場合も、基本的な編集機能はほぼ同じです。

あらゆる場面で文字入力の編集機能を統一することで、ソフトメーカーやプログラムの違いによる操作性の違いを無くしています。そのため日本語以外の他言語の Windows 環境でも、やはり同じ操作性で文字の編集ができるのです。素晴らしい一貫性ですね。

文字の入力編集には挿入モード上書きモードがありますが、Windows では挿入モードが基本になっており、[Ins]キーで切り替えることができますが、次に示す編集機能を上手に使っていれば、挿入モードだけの利用でも、不便を感じることは殆どありません。
 

文字の入力編集をより効率的に行うには、目的の場所へカーソルをいかにスピーディーに移動するかが、大きく影響します。マウスをクリックするだけでカーソルは簡単に移動できるのですが、文字を入力している場合に、いちいちマウスを持ったり放したりは大変です。そこで、文字の入力と編集に関しては、キーボードでの操作を中心に説明し、そちらをマスターされることをお薦めします。

  1. [Home]
    行頭に移動
     
  2. [End]
    行末に移動
     
  3. [Ctrl+Home]
    文頭に移動
     
  4. [Ctrl+End]
    文末に移動
     
  5. [Ctrl+←]、[Ctrl+→]
    ワード単位で移動
    英単語は意のままに移動しますが、日本語の場合は不本意な動きが多い
     
  6. [Ctrl+↑]、[Ctrl+↓]
    段落単位で移動

5.の場合、英語の単語は必ずスペースで区切られているから、カーソルのジャンプ先が明確に判定できますが、日本語の文章には明確な区切りがないので、思い通りにカーソルがジャンプしてくれないのが当たり前ですね。下のスクロールテキストボックスで実際に操作して試して下さいね。但し、機能するのは、1.と2.と5.だけです。3.と4.は、ブラウザでの機能が働き、6.は機能しません。

 

上のスクロールテキストボックスを使って、今度は範囲選択も練習してみましょう。範囲選択とは、どこをどうしたのか、その「どこを」を指定することです。範囲選択された部分は、文字の色が反転するのですぐに見分けがつきます。範囲選択はマウスのドラッグでも簡単にできますが、なるべくキーボードでの操作をマスターされることをお薦めします。

  1. [Shift+→]、[Shift+←]
    文字単位で前後に選択
     
  2. [Shift+↓]、[Shift+↑]
    行単位で前後に選択

基本はこの二種類だけなんですが、[Shift]キーと前項のカーソルの移動を組み合わせることによって、もっともっとたくさんの選択方法が作れます。実際に試して確認して下さいね。例えば[Shit+Home]は、現在カーソルのある位置から行頭までカーソルがジャンプして、その上範囲選択にもなります。つまり、カーソルを移動する前に予め[Shift]キーを押しておくだけなんですよ。組み合わせの応用なんです。

さて、範囲選択した部分を一体どうするのか、それが編集なんですが、主な機能を練習してみましょう。

  1. [Delete]又は[Back space]
    削除する
     
  2. [Shift+Delete]
    切り取り(削除してクリップボードへ入れる)
     
  3. [Ctrl+C]又は[Ctrl+Ins]
    クリップボードへコピー
     
  4. [Ctrl+V]又は[Shift+Ins]
    クリップボードの内容で置換
     
  5. 文字入力
    入力した内容で置換

4.と5.は編集の極意とでもいいましょうか、特に5.の機能に泣かされた方も多いのではないでしょうか。でも、ちゃんと理解してしまえばとっても頼もしい機能になるはずです。何のことだか今は分からなくても、きっといつか分かる時が来ます。その頃が少し上達した時期と言えるでしょう。多くは語らず、実際に自分自身で試して理解されることを期待しています。
 

入力した文章中の1文字を削除することはよくありますが、この時使えるキーは2つあり、[Back space][Delete]です。[Back space]はカーソルの直前の文字を消し、[Delete]はカーソルの直後の文字を消します。どっちを使ってもいいようなものですが、できれば両方を使い分けできるように練習されることをお薦めします。どちらかしか使わない癖を付けてしまうと損です。両方使えれば得です。コンピュータを末永く使う上で、こんなちょっとした編集効率の違いが、大きな時間の無駄を省くことにつながります。
 

コピーの練習に1行テキストボックスを用意しましたので、上の段の一行をそっくりそのまま下の段にコピーしてみましょう。上の段の内容を切り取らずに行う場合と、切り取って行う場合の両方やってみて下さいね。

参考までにキー操作の例を示します。

  1. 上の段の行末でマウスをクリックしてカーソルを行末に
  2. [Shift+Home] で行頭まで範囲選択
  3. [Ctrl+C] でコピー
  4. [Tab] でフォーカスを下の段に移動
  5. [Ctrl+V] で貼り付け

他にも色々と試して下さいね。編集は色々な機能を組み合わせた応用力が大切です。フォーカスについては、時節の「ダイアログボックスについて」で説明しますので、そちらを参照して下さい。