『エッブ城大全』



第10部隊の工作隊によって設計されたエッブ城は、あのスター帝国の夜の宮殿に次いで難攻不落と謳われる名城である。
堅固な花崗岩の広大な丘の上に建てられ、ドラゴンラースのいにしえのドラゴンに足元を守られながら、何マイルにもわたって四方を見渡せる視界を誇るこの城は、第10部隊の司令官カリーズ ノアニも、「私が知る限り、およそ人間の手で造りうる最も完璧なもの」と絶賛している。

当初、この城は第10部隊のみが駐留していたが、現在ではエッブ王国の王室の居城となっている。
王宮の階下には部隊の司令官達が詰めており、さらに城の地下深くでは、さまざまな罪状の囚人達が寒々とした地下牢の暗い独房の中で罪を償っている。

この城の奥には、ある秘密の部屋が隠されているという。
部屋の在りかが隠されているだけではない。
王と王妃以外はだれ1人として入室を許されず、禁を破ってこの部屋に入った者は即刻死罪に処せられるのだ。
この秘密の「星の間」には、軍部の反乱の際に持ち帰られた魔法の品々が、それも人間にとってはあまりに危険すぎるほどに強力な魔力を秘めた品々がひっそりと眠っているのだという。


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