さて。村雨語りに持って行こうかどうしようかかなり悩んだのですが、サメ個人と言うよりは秋月周辺全般の話なので別項にいたしました。
そして村雨語りの項目と同様、柾希=秋月兄、薫、マサキ=秋月妹の表記で進めますのでどうかよろしく。
まずは柾希がいなくなる「事件前」の推定をいたしますと、この皇神関連の人間関係の中核は柾希だったと思うのですね。
図にすると中央に柾希、その周辺に他の面々を配置する案配。周辺同士はあまりくっつかない…というか、周辺Aと周辺Bの間には常に柾希がいたんじゃないかと。
柾希抜きにして成り立たないバランス関係だったこの関係が、柾希がいなくなった事によって当然ながら思いきり変動をきたす訳であります。
で、柾希の場所に薫が入ってマサキになる事で、この変動を乗り切りつつ剣風帖の時間にいたる事になってるんだと思いますが、それで解決になってるかと言うと、チと無理な部分があるんじゃないかなーと。
それまでまん中に柾希がいて、周りに薫がいて御門(と芙蓉)がいて村雨がいて、という構図で安定していたんですから、薫が柾希の場所に移動すると元々薫のいたポジションががっつり空きますよね?図形に描くと分かりやすいんですが、バランスが思いきり悪くなりましたよね?
剣風帖19話近辺の秋月周辺の人間関係は、このバランスの悪い図形を気力だけで保たせている現状、なんじゃないのかなと。
…薫ちゃんの能力が低いとかそういう話じゃなくて、(むしろ能力値は兄以上が希望と書いてユメ)1角分崩れたらもう限界、という一種の緊張感があるんじゃないかと。
端的に言えば弱音を吐いたら負け、という事です。
薫は今の状況しんどいなぁ言ったらマサキでいられないと思っているとこがありそうですし、御門は御門でプライド青天井の人ですから、どう考えても弱音は吐きそうになく。村雨は…負けず嫌いで意地っ張りのあの男がですよ、他人より、特に薫より先に泣き言言えると思いますか(笑)
で3者3様に張るべき意地があり、しかも気を抜ける場所ってのがない訳ですから、当然どこかに無理が出てるはずなんです。
その無理を吸収する遊びの部分が無いんですね。柾希にあってマサキに無いもの、ていうのはそれなのではないかと。
元来この面子の中では一番の庇護対象にあった薫が、自らの理想でもあり、保護者でもあった兄の代役をする訳ですから年令も、性別も、強く意識して隠す必要がある訳で。でも強く隠すって事は、完全防備で隙が無い、て事にもなるんですよね。意識している以上、自分が柾希でないという事から離れる事もできないですし。
危険にならん範囲で隙を晒して相手の隙も掴み人心ゲットだぜ、つー良く言えばゆとり、悪く言えば性格の悪さが彼女にはまだ無いんです。逆に推定中坊だったとしても当時の柾希兄にはこれができた事を強く希望。ドリー夢。カリスマ性はあり、素質もあるんですから頑張れマサキ。