(47)具象画


「メリークリスマス」ジェガ宅からチョコレートの贈り物。さっそくショーケースに飾る
。壁には、玉葱とエシャロットの絵を貼ってある。「先程ジョンが来て玉葱の絵褒めてた
わ」クリスマスの朝幸子との話し。「トシオも具象画を描くんだって」絵のペースを掴む
のに玉葱は、どこにでもあるし色合い・光沢もいいし、これまでよく描いた。今の私にと
って具象画とは、絵の雰囲気を作る上での説明の手段に他ならない。プロヴァンスの雰囲
気を出したいがあの街灯・フォンテーヌを使おう。よりらしさが出てくる。あまり説明し
すぎても焦点がボケてしまう。兼ね合いも難しい。ショーケースにチョコレートが入ると
クリスマスらしさが出て来る。「抽象画は、イメージが出来なくて退屈だわ」幸子の意見
。「見方を変えればそうでもないよ」「音楽を聞く感じて抽象を見ると心地よいしどちら
もあって面白い」「肝心なのは、いつまで見ても見飽きないこと、精神状態で大きく左右さ
れるしね」

目次に戻る

(48) 両親との旅行