(40)絵のはなし 4


「絵は、いつまでたっても格闘だ」休むことはよくない。「どれだけエネルギーを絵の中
に蓄えられるか」立ち止まってはダメだ。「Too much black黒が多すぎる
」「黒を使っちゃいけない」ドイツ人のエンマが私の絵を見て指摘する。彼は、純色を使
ったシュールな絵を得意とする。ルシアンは、それに対してコメントしない。彼も黄色系
の明るい色彩を好む。「絵の本質なのに」聞きたい気もする。不満が残る。「絵は、自分
で見つけるものだ」そう結論して納得する。。画集から切り取ったジャベランスキーやキ
ース・ヴァン・ドーゲン、モジリアニの気に入った顔の絵を壁に貼って見ている。「私に
は日本の伝統的な墨の世界が体に染みついている」「日本人なんだ」「先祖から受け継い
で来た血が流れている」変えることは出来ない。今の私が必要とするもの、感じるものを
表現する。「これが結論か」納得する。

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