(22) セント・アグレーブ 1


ジョン、マリーテレサとは、フロニエ宅で知り合った。ジョンは、細身で誠実さのあふれた
小学校教師。奥さんのマリーテレサは、少し小太りでおしゃれ。「日本にもワインはあるの
」日本を知らない。山中に住んでいて情報が少ないのか。話し込んでいるうち意気投合して
一度自分の町に遊びに来いと誘われた。そこは、アーデッシュ、隣の県。セグレから150
キロ程山の中に入っセント・アグレーブの町。山中と言っても行き止まりではなく次の町
に行く舗装道路が完備している。「随分しゃれた町ね」人口2000人、田舎だけど都会、
フランスは、どこに行ってもこの雰囲気がある。文化がある。ジョンの家も百年前からの旧
家。4階建て。自分達は、1階に住んでいた。ゲストは2階、3・4階は、人に貸している
。湖があったり森があつたりこの湿っぽさは、プロヴァンスとは異なる。フランスでは、め
ずらしく火山がある。「気に入ったわ。わが家の別荘ね」勝手に決め込む。

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(23) セント・アグレーブ 2