(15)フロニエ家の人々 1

セグレの村でいつもお世話になるフロニエ家は、村から50メートル程離れた丘の上にあ
る。そもそもの出合いは、今から25年前彼等が初めて村にやって来た時だ。私が彼等の
私有地でスケッチをしていて「ジュ・プーここにいていいか」と尋ねた。「ヴァー・ジー
かまいません」とクリスチアーヌが答えた。後で聞いた話しでは、何人もの人間がそこで
スケッチをしていたが断わりを言う者は、いなかったそうだ。よく「家族なんだから冷蔵
庫も勝手に開けていいよ」と言われるが断わりを言って開けるのは私のこだわりか。「ジ
ュ・プー・ドゥシュ/ シャワーを使っていいですか」「ノン」思いきり背中を叩いてシャ
ワー室に行くのも親密さの現われか。夫のアンドレ長男ドミニック・次男ステファン・三
男フィリップそれに末っ子カトリーヌの6人家族。当時は、長男ドミニックも18才、フ
ロニエ家も賑やかだった。今は、夏に孫達が来て騒ぐ位で普段は夫妻二人で静かだ。

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(16)フロニエ家の人々 2