- ラミネート構造のボディにラミネート構造のネックのスルーネック構造
ボディはメイプルとアルダーのラミネイトだそうですが、ボディが白く塗られているので、構造は確認できません。小柄なボディの割には重いです。あまり重い音ではありませんが、パンチはあります。アルダーっていう材を使った楽器は初めてなので、アルダーの音、というものについてはよく分かりません。だけど、メイプルとマホガニーのラミネイトボディのEAGLEに比べると、立った音になっています。ボディの形状は、極端に言うとスペクターとかワーウィックのような3次元的な形状で、ボディ裏側が体にフィットするように軽くえぐってあって、表側はスペクターほどじゃないけど、多少丸みが付けてあります。
ボディとネックのジョイントはEAGLEとかMC-924と同じスルーネックです。ネックの取り付け部分はEAGLEとかMC-924ほどじゃないけどヒールレスジョイントなので、ハイポジションが弾きやすいですね。ネックの太さや厚さは昔のBB-1200とかBB-2000と違って、細めで握りやすいです。
昔はボルトオン構造とスルーネック構造の優劣について色々と議論があったようで、スルーネック構造のほうが弦の振動を殺さないから優れている、ということが言われた時期がありました。実は私も持ってもいないくせにスルーネックが良いに違いない派でした。リッケンバッカー好きだったし。でも、最近はボルトオンにはボルトオンの良さがあって優劣の問題ではなくて好みの問題、ということになっているようです。今は両方持ってますが、一般的傾向として音の立ち上がりの鋭さはボルトオンの方が上のような気がします。サスティンはスルーネックの方が上。
- ノイズキャンセルコイル内蔵ピックアップとプリアンプ
ピックアップは見た目がJBタイプですが、ホールピースが外に出ていないので、バルトリーニとかEMGのようなモールドタイプと思います。カタログによると、スタックタイプと書いてあるピックアップですが、ノイズキャンセルコイルとピックアップのコイルが積み重なっているんでしょうか?磁石の材質にも色々と議論があるようで、カタログを見るとセラミックだのアルニコだのと記載があります。この楽器のピックアップはアルニコ製だとか。
サーキット関係は、マスターボリュームにピックアップバランサー、3バンドEQに加えてMID
Cut SWなるスイッチが付いているアクティブサーキットです。私が持っている他のアクティブものと違って、バイパスすることはできません。3バンドEQは、中心周波数の選び方が良いのか、なかなか効き方が気持ち良いです。特に中域の効き方が良いですね。また、MID
Cut SWはON/OFFのスイッチとノッチの中心周波数を変えるつまみがありますが、可変範囲も十分、ノッチレベルは固定のようですが、過激すぎず、なかなか使えます。
2マイクの楽器には必ずつきまとう、フロントとリアのバランスを崩したときのノイズに関しては、ノイズキャンセルコイル内蔵のピックアップのせいか気にならない程度だと思います。
- 弦ごとに独立したブリッジ
見た目の特徴にもなっているブリッジですが、弦とボディの振動に関しての効果の程はよく分かりません。ただ、弦が太くなるにしたがって弦長が長くなるような配置になっているので、テンションが不足しがちなLo-B弦のテンションを強めるうえでは効果があると思います。3本持っている5弦ベースの中で、Lo-B弦の音程感はこの楽器が一番いいです。
ネーザン・イーストのシグネチャモデルの2代目なので、開発にはネーザン・イーストの意向が強く反映されているということらしくて、1本で何でもこなせることを念頭に開発されたっていうことを楽器屋のおにいちゃんが言ってましたが、確かに色んな意味でとても実戦的な楽器という気がします。良くも悪くも癖がない、という昔からのYAMAHAのトーンを受け継いでいるような気がしますが、それはそれでいいのではないかと...