住吉森林公園

 又六地蔵から、西へ向かう小径を200メートルほど歩くと、右手にこの公園が現れる。ただし、非常に分かりづらいので注意が必要。生け垣の間の小さな入り口を入ってすぐ左に「住吉森林公園」の看板がある。もし、その看板の代わりに「小松菜100円」とか書いてあったら、それは民家の庭なので注意しましょう。

 入り口から園内を見渡すと、その小ささに驚かされる。森林公園という壮大なネーミングがいっそう小ささを引き立ててくれる。保谷には、昔ながらの風情のある農家が多く、そういうところの庭の方がこの公園よりも広くて立派だったりする。

 しかし、公園の中程まで入るとちょっと感じが違ってくる。けやきの木と低い常緑樹そして生け垣で囲まれた空間はこじんまりしているだけに林の中に入ってしまった気になる。さらに、奥の方にはこの公園とは関係ないすばらしい竹林が広がり、右手の方にも、これも公園とは関係のないちょっとした林があって、非常に広い森林公園の一隅に立っているような錯覚に陥る。

 これらの木々には、たくさんの鳥が行き交っており、さえずりを聴いたり、双眼鏡でバードウオッチングを楽しむこともできる。ひばりが丘では様々な種類の鳥を見かけるが、ゆっくり観察できる場所は意外に少ない。この公園はそんな数少ない場所の一つだと思う。また、小さいだけに妙に気持ちが落ちつくので、ベンチで読書したり、絵を描いたりするにも適している。

 それにしても、地元の住民も知らないのか、あるいは知っているけどつまらないから行かないのか、とにかくこの公園には人がいない。今まで見かけたのは、日曜の午後にベンチでぼんやり空を見ていたおじいさん一人だけである。


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<ひばりが丘通信>