中南米音楽についての情報を入手したい方には、「ラテン音楽名曲名演名唱ベスト100」(竹村淳・講談社)・NHK−FM「ポップスグラフィティ火曜日」(16:00〜)をお勧めします。

アルゼンチン
メルセデス・ソーサ「アルヘンティーナの女」(オーマガトキ)
アルゼンチン・フォルクローレの歴史的名作、としてではなく、8人のアルゼンチン女をうたったアルバムとしてききました。
(メルセデスは、フォルクローレの女王。「目覚めのとき」というアルバムも、オーマガトキからでています。)
どの歌も色あせることのない名作。そのなかでも私は、タニアのへやでもとりあげた「アルフォンシーナと海」は絶品と思います。彼女のいきているうちにきかせたかったね。

「タンゴ・レッスン」サウンドトラック(ソニー)
タンゴの入門編としてかったら、大当たり。名曲てんこもりでお値打ち。サリー・ポッター監督、すごいわ。「哀しみのミロンガ」のハモニカ(ウーゴ・ディアス)は泣ける。
ついでに、この映画のポッターのタンゴは必見。映画自体、映像美に酔えるものになっていて、おすすめ。

「ミサ・クリオージャ」
ラジオのクリスマス特集で初めてきいて、ハマった。ラティーナ御用達ミサ曲。
バチカンが「ラテン語でなくても、各言語でミサやってOK」といったものだから、60年代にいろんなミサ曲がつくられたらしいけど、
この曲は「アルフォンシーナと海」をつくったアリエル・ラミレスの作曲で、いきなり300万枚うれたらしい。宗教曲がコムロ並みにうれたんだな。パワフルで明るい。
2000年、メルセデス・ソーサがだしたのがラテングラミー・トラディショナルフォルクローレ部門受賞。

「ア・ロス・ボスケス」
夜遅く酔っ払って帰ってくるダンナさんが家の中へ入れてくれない奥さんへ歌う歌だそうです。
「人間は森からでてきて、いつか森へ帰って行くのだよ(だから私もいつ森へ帰ってあなたとあえなくなるかわかんないよ)」って感じの内容だそうで、
これをきくと奥さんは(多分夫への愛をおもいだして)涙ぐんで夫を家へいれるそうです。飲んだくれはこの歌をぜひおぼえましょう。

ペルー
ルーチャ・レジェス「わたしの最後のうた」(テイクオフ
「ペルーの黄金のモレーナ」といわれた彼女のスワンソング。初めてきいた時、鳥肌がたった。曲の最後にはっきりきこえる彼女の泣き声もふくめて。
自分の死期を予感した彼女が、作曲家ペドロ・パチェコ・クアドロスに懇願してできたペルーの人たちとの永遠の別れをつげる歌。

「コンドルは飛んでいく」
S&Gで有名になった曲。エルコンドルパサー号の馬名もここから。この曲のコンドルとトゥパックアマルーとインディオ先住民の誇りとの関わりをしって、忘れがたい曲になりました。

パラクアイ
「鐘つき鳥」初めてアルパ(明るい音のする竪琴)を間近できいた時、もっとも衝撃をうけた曲。明るくてスピーディーできもちいい。アルパのアルバムならたいてい入っている名曲。

メキシコ
「サボール・ア・ミー」
訳すと「私のタイプなの」。ひゃーっ、んなこといわれてみてぇよなぁ絶対赤面してにげるけどさっ。といいたくなるよなラブラブモード全開ソング。
ルイス・ミゲル「ロマンセス」に入っているのは、ゴージャスで色っぽい。この声・この歌でいわれりゃそりゃ口説き落とされるでしょーよっ。ええぞお。

「ベサメ・ムーチョ」死の間際に彼女に別れのキスをせがむ、という、非常に切ない歌。なのに日本ではただのキャバレーソングになってしまって。

チリ
「太陽は頭上に燃える」
ラジオで、ヌエバ・カンシオーンの母ビオレータ・パラの歌うこの曲をきいて、うちのめされた。
チリ北部の鉱山地帯で働く人々の非人間的なくらしの悲惨さをありのまま歌ったもの。歌で告発しないではいられなかった彼女の思いの深さ。

ビクトル・ハラ「人間であることの歌」(オーマガトキ)チリ軍部のクーデターで虐殺された、歌うことで戦いつづけたスター。「宣言」は、死を予感しながらかいたであろう最高傑作。この国に関心をもった人は必聴。

キューバ
「エキゾチック・アメリカ組曲」 ペレス・プラードが、彼のファンだったケネディにあてて、キューバ攻撃一周忌の日に捧げた「二つの世界のテーマ」は、後日、チェの讃歌となった。

「マンボbT」ペレス・プラードが発明したマンボの原点。掛け声もこの曲から。

「コモ・フエ」エルネスト・ドゥアルテがつくりベニー・モレーがうたった一目ぼれソングの決定版。

「サンタ・バルバラ」
カトリックの聖女バーバラをほめてるとみせかけて、実は「チャンゴーばんざい」とアフロの神イアンサンをたたえてる。南米ってタイヘンだ。

「キサス・キサス・キサス」 ナット・キング・コールですね、この曲は。ジャズ好きなら一度はきいたことがあるはず。

「アフロ・キューバン・ジャズ組曲」 マチート とにかく、この曲きくと、元気でて吠えたくなります。気合一発入れたい朝に。99年7月ポリドールから復刻版がでているらしい。

「チャン・チャン」コンパイ・セグントのをラジオできいて、いいなあと思った。トリオ・テシスはコンサートでうたってくれて、これもナイス。ブエナビスタソシアルクラブのサントラでは、1曲目に入ってる。

「タブー」ペレス・プラード楽団「8時だよ!全員集合」で、加藤茶が「ちょっとだけよぉ、アンタも好きねぇ」なんていいながらストリップのまねごとをしていた時にかかっていたのがこの曲。

「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」サウンドトラック
99年大ヒットした映画のサントラ。キューバ音楽入門として、解説がむちゃくちゃ充実しまくっている日本版をおすすめしておきます。
この映画のヒットのおかげで、コンパイ・セグンドは90歳にして世界ツアーをくんだとか。元気だねえ。でも日本には来てくれないらしい。さみしーなーっ。


ブラジル
「カーニヴァルの朝」映画「黒いオルフェ」が、ラテン音楽とのであいでした。この曲もサントラに収録されています。エリゼッチ・カルドーゾのは映画では使用されなかったが名唱。

「イパネマの娘」モライス作詞、ジョビン作曲、バイア州出身ジョアン・ジルベルトの歌。ボサノバの名曲。いろんなジャンルのいろんな人がカバーしていますね。


ニカラグア
「かわいそうなちび」うまれたこどもの7割が赤ん坊のまましんでゆく国の、赤ん坊たちへのレクイエムであり告発の歌でもある。こういう国が、今も地球上にはある。

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