読み捨てるには惜しいと感じたものを、ここにおいておきます

山谷がけっぷち日記 大山史朗 TBSブリタニカ 
第9回開高健賞。ホンモノのドヤ録。現代版方丈記。いつかカマでくらすこじきになったら、メシをゴミ箱から拾いあさりながらいくばくかの自由を謳歌できる人間で私もいたい。

天才伝説横山やすし 小林信彦 文春文庫 説明無用。後書きと解説で興味をひかれたら買ってよむべし。彼の痛々しさが私はすきだった。

グッチ裕三のこれは旨い! ブックマン社 正月の料理番組で「もしかしたら彼のレシピはいいかも」と思ったら大正解。シンプルで旨い。

ケンタロウの料理本(どれでも) どーん、とか、どかん、とか、豪快な擬音のにあうオトコらしさがいかす実用本。つくりたくなるし、酒が進む進む。

ヨーロッパ・カルチャーガイド トラベルジャーナル 1997
各国の旅行ガイド。その国の姿をとてもすなおにかいている。興味をもった国の本をななめよみするだけで楽しい。


新・屈せざる者たち
 辺見庸 角川文庫 2000
すごいラインナップのインタビュー集。まさか「チョンハーへの道」の新井英一さんの話がよめるとは思わなかった。(彼の歌、はじめてきいた時、鳥肌がたったもんな)
旧編もよみごたえアリだけど、彼の話をよめる点で、こちらをかいておきます。

アマニタ・パンセリナ 中島らも 集英社 1995
結局こういう本からはなれられないんだよね。のんだくれている時は特に。

ひとりぐらしご飯の友 仲屋むげん堂企画室 岩波同時代ライブラリー 1992
どんなに不器用でも、何かつくってたべたくなる、たのしい料理ガイド。よむだけでも十分たのしい。

紳士の酒・淑女のこくてーる オキ・シロー 大栄出版 1995
オキ・シローのカクテル物語は幻冬舎文庫でよめる。この本は酒についてのエッセイ。唐仁原教久の絵もしゃれていて、いい酒のつまみ。

白楽天詩集 平凡社ライブラリー 1998
「ぜんぶかながき」の訳が絶妙。白居易、またの名を酔吟先生ってんだから、よまなくちゃ。訳詩では井伏鱒二の「厄除け詩集」もすごく面白い。

桃仙人 小説 深沢七郎 嵐山光三郎 ちくま文庫 1997
「アクマのように素敵な人でした。オヤカタに斬り捨てられる日がついにきた。20年に及ぶ交情をつづる傑作」と帯にある。こういう男がいるんだねえ。

きらきらひかる 江国香織 新潮文庫 1991
のみながらよんでいると、むちゃくちゃ身につまされる。昔なじみはこれをよんで私を思い出すらしい泣笑。

金子信雄の楽しい夕食 文春文庫 1994
目先のかわったもの・おいしいものをつまみにしたくなった時のバイブル。

憧れのまほうつかい 
さくらももこ 新潮社 1998
絵本作家エロール・ル・カインの足跡をたずねる紀行文。ル・カイン自身&ル・カインにささげられたももこの絵多数。しみじみしたよい本。彼の著作目録もあり。

とびきり陽気なヨーロッパ史 テランス・ディックス ちくま文庫 1999
イギリス人特有の冗談を交えつつ、ヨーロッパの各国の歴史を紹介。各国の成績表も秀逸。げらげら笑いながら、いろんなことがわかって、楽しい。

きみが住む星 池澤夏樹 文化出版社 1992
こんな絵葉書をくれる彼氏かいたらねぇ。ほろ酔い時のシアワセのもと。彼の本では、理科系のエッセイもステキだが、現代版恋の御伽噺「タマリンドの木」が一番。

KYOKO 村上龍 集英社文庫
この本がきっかけで、キューバの音楽とダンスに興味をもった。御伽噺のようだ。村上氏は「新時代のビート」というキユーバ音楽ガイドをだし自己のレーベルまでつくった。すごい。

クラブ・シャングリラの予言
 立川直樹&森永博志 1998 講談社+α文庫
エスクワイアに連載していた遊ぶ男のよた話。こーゆー話のできる大人になりたいものだ。この対談、また本誌に連載再開されている。快調。

危険な歌:世紀末の音楽家たちの肖像
 幻冬舎文庫 ラテンアメリカくいしんぼひとり旅:お手軽エスニック料理をあなたに 光文社文庫 八木啓代
前者は南米の歴史と音楽についてのガイドになりうる音楽紀行エッセイ。音楽の力と南米の空気を感じるためにおすすめ。後者はカンタンクックブック&旅エッセイ。

江戸前で笑いたい−志ん生からビートたけしへ
 高田文夫・編 筑摩書房1997
天才列伝としてよめばメモとりたくなるくらいきちんとした本だし、ヨタ話としてよめば酒の肴に最高。芸人についての話って、どうしてこんなに趣深いかなあ。

ビートたけしの結局わかりませんでした 
集英社 1996
最先端をゆく知識人としゃべりの名手とのくだけた対談集。荒俣さんとの対談で、ひな祭りの菱餅の由来をしって驚いた。飲みながらとろとろ読むとシアワセ。世の中、いい男はたくさんいる。


私のシネマ宣言−映像が女性で輝くとき 
高野悦子 朝日新聞社1992 
岩波ホール総支配人だった彼女の女性映画論。シネマとの結婚式の話(シネマ君の代役は淀川さん)すきだったな。

映画をつくった女たち−女性監督の100年 松本侑壬子 シネマハウス&星雲社1996
現代までの女性映画監督の仕事をまとめた労作。よみやすく、映画ガイドとしても秀逸。私はこれを読んで貸しビデオの会員証をつくった。みまくるぞーっ。

入浴の女王 呑々草紙
 杉浦向日子 講談社文庫
NHK「お江戸でござる」でおなじみ、現代のご隠居ヒナちゃんと、のんだくれ美人編集者ポワールの粋な珍道中。小学館文庫の「一日江戸人」もおすすめ。

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