空と文字(FIELD)

姿・形で樹令を知る



一般の人からはよく太い木の年令を聞かれることがあるでしょう。直径1m程度の大木
からなる原生林はおおむね150〜200年前後と言われています。しかし、積雪の多い斜面な
ど生育条件の悪い所では直径5cm程度で100年以上になることもあります。そんな木には、
雪圧による根曲がり、屈曲、梢折れなどが見られます。
 ダケカンバなどの広葉樹の正確な樹令は年輪を数えなければなりませんが、トドマツな
どの常緑針葉樹は葉が長く残り、技も毎年規則正しく枝分かれをするので、木や枝の形か
らある程度樹令や枝の年令を知ることができます。
 トドマツの枝先はふつう三つに分かれ、枝につく葉の角度も毎年少しづつらせん状にず
れています。また、落ちた枝の痕跡が対になってついており、これらの数を数えれば若い
木の樹令や技の年令がおおよそわかるのです。トドマツの稚樹でも葉の角度やつき方の相
違、毎年の幹の伸長跡などによって発芽後の稚樹の年数を知ることができます。
 これらを見るとトドマツの成長がいかに遅いかがわかるでしょう。トドマツの寿命は発
芽後250年位ありますが、自然の林の中では平均的に100〜130年位です。エゾマツやアカ
エゾマツの大木はもう少し樹令があり、おおよそ200年前後、時には500年にも達するそう
です。                                 (青木 満)
 



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