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高山のキノコ類



キノコは生物の分類体系では、植物界、動物界のどれにも属しない、菌類界として扱わ
れているのが現状です。これは植物界が生産者、動物界が消費者、菌類界は有機質を無機
質に変える還元者として位置付けられている為です。
 大雪山地域は膨大な森林面積を持っていますので、木材腐朽菌と変形菌を含むキノコの
種類は多く400種を越えるのではないかと予想されます。標高900m以上でのキノコは、現
在102種(成田1986年)ほど知られていますが、森林限界のダケカンバ帯ではサルノコシ
カケの仲間やキコブタケ類、地上ではキチチタケやコケ類に生えるコケガサタケの仲間の
種類に限定されてきます。さらに1900m〜2000mの高山になると極端に種類数が減少しま
す。ハイマツの下に生えるショウゲンジやペニタケの仲間、エゾツツジやキバナシヤクナ
ゲの近くに出るキツネタケ、チングルマやコケモモ、ツガザクラ類の近くに出るアワタケ
らの仲間程度になります。厳しい高山の自然条件のなかでも発生の条件が良い時には、ハ
イマツの下にショウゲンジが数多く発生することもあります。  (成田 新太郎)

ショウゲンジ  Rozites caperata(Pers.:Fir)
          フウセンタケ科 Cortinariaceae
傘は径4cm〜15cm、半球形〜卵形から、のちほぼ平らに開く。
表面は黄土色か黄土褐色で放射状のしわがある。
柄は長さ6cm〜15cm 膜質のつばと不完全つぼがある。
食菌で上品な味がする。

 

 



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