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大雪山の貴重(稀産)植物



大雪山の貴重(稀産)植物

 

昭和48年に環境庁で行った「自然環境保全調査」で、貴重植物とは次の4項目のうち一つ以上に係るものをいうとされています。
(ア)日本特産であること。また、地方特産であること。
(イ)稀産種であること。
(ウ)世界または日本における南限又は北限であること。(ェ)その他重要な種等であること。
 このような観点から、次のような種が大雪山国立公園の貴重植物(Rare Species)に選定されています。
(地衣植物)カニメゴケ、イロダケトコプシゴケ
(蘇苔植物)ナンジャモンジャゴケ、Paludella sguarrosa
(種子植物・双子葉植物・離弁花)ミヤマヤチヤナギ、エゾマメヤナギ、ダイセットリカ ブト、エゾイワツメクサ、ソウウンナヅナ、クモマユキノシタ、ヤマハナソウ
(合弁花) エゾハハコヨモギ、フタマタタンポポ、ダイセツヒゴタイ、ウスユキトウヒレン
(単子葉植物)チシマミクリ、タカネコメススキ、ナンブソモソモ、オハグロスゲ、タカ
 ネヤガミスゲ、ヒメアゼスゲ、ヤリスゲ、ムセンスゲ、エゾワタスゲ、ヒゲハリスゲ、
 クロコウガイゼキショウ、タカネイ
 以上の27種類です。なお、北海道地区の貴重植物は、103種類となっています。
                                 (佐々木 太一)
◆ナンジャモンジャゴケ TakakiaIepidozioides Hatt.etlnoue
 変わった名前の付けられたこの苔は、本州の白馬岳で最初に発見
され、その後、立山と大雪山で見つかっています。世界的にも北ア
メリカの太平洋岸北部とポルネオのキナバル山の高山帯だけに隔離
分布する遺存植物の一つです。
 苔類に属するのですが極めて原始的な形態を持ち、辞類か藻類か
迷うほどなのでこの名が付いたのです。この苔はまた雌植物しか見
つかっておらず、雄植物や胞子体は知られていません。長さ1cm、
緑色の茎をして、高山帯の岩隙に密生してマットを形作っています。
                原色日本辞苔類図鑑 保育社より
 

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