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黒岳の植生(垂直分布)


黒岳の植生(垂直分布)

 植生は南から北に行くに従い、気候の変化とともに徐々に移り変わってゆきますが、その変化を見るためには何百km、何千kmと移動しなければなりません。しかし、高山では同様の植生の変化を同一の山の麓から山頂に登ることによって見ることができます。この山岳部での植物帯の移り変わりのことを垂直分布といいます。以下黒岳の垂直分布を例示。
1.針広混交林帯 温泉〜約900m(映月峯下部)エゾマツ、トドマツ、ウダイカンバ、
   ミズナラ、オヒョウ、ホウノキ、エゾイタヤ、カツラなどが主要樹木。
2.針葉樹林帯 900〜1300m(ロープウェイ上部)・昭和29年の洞爺丸台風によって壊滅的被害を受け、かつての美林は失われましたが、所々に残る針葉樹林が往時の姿を残しています。跡地はダケカンバ、ナナカマドなどの広葉樹からなる再生林となり、その下部には、エゾマツ、トドマツなどの幼樹が見られます。
3.上部針広混交林1300〜1600m(リフト周辺部)エゾマツ、アカエゾマツ、トドマ
   ツとダケカンバなどが混交する原生林。
4.ダケカンバ帯(亜高山帯)1600〜1800m ダケカンバが優占する。上部のダケ カンバほど雪害などによる変形を受けています。
5.高山帯 (ハイマツ帯)1800m以上 ハイマツ、ウラジロナナカマド、ミヤマハ
   ンノキなどの低木林、高茎草本群落等で構成されています。  (中條 良作)



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