空と文字(FIELD)

林のマソト



林のマント

 林の中と外を晴れの日の昼間に比べると、涼しい・暗い・風が弱い・湿り気が多いなどのことに気づきます。暗いのは当然として、今一度林の入口(林縁)を観察してみましょう。いろいろな草本や低木が垣根のように勢いよく茂っています。これら下草をまとめて「ソデ群落」と呼んでいます。そして、その上には高木類の下技も伸びていますが、ツルアジサイやイワガラミ・サルナシなどのつる植物や低木類がまるで林を被うマントのようにとり囲んでいます。そこでこれらのグループを「マント群落」と呼んでいます。
 林は一般にこのソデ群落やマント群落に囲まれて、内部が安定した環境に保たれているのです。こんな林を無計画に伐採すると、乾燥した風が吹き込み、林がカゼを引く(枯れる)ことになります。古いマントを傷つけたら早く新しいマントを準備したいものですね。伐採技術や木材の利用に関する研究は進んでも、木を植えて森を作る研究はまだまだ遅れているのです。  



トップ アイコン
トップ


空と文字(FIELD)