雲とシュプール

函ってどんな所

函ってどんな所

  層雲峡温泉から石狩川をさかのぼると両岸が急な崖になって追ってくるところが、小函大函、です。函は、和人の言葉で川の両側が立っていて箱のようになっている地形を言います。アイヌ語でも、シュオプ・ニセイ(syuop−nisei函の・絶壁)といい、やはり両側の崖が立っている地形がシュオプ(syuop函)であることが分かります。 このような函がどうしてできたのでしょう。 大きい石狩川は、大函付近で中央火口からの火砕流や熱雲にせき止められ、奥地一帯は、大きな湖(古大雪湖)となっていました。 やがて満々と水をたたえた古大雪湖の水は、熔結凝灰岩の弱いところ(今の大函付近)を屈曲しながら押し破り流れだしました。激しい水の勢いは溶岩台地を浸食し、層雲峡熔結凝灰岩を削りとり、狭い流路を滝のように流れ出したのです。その最初の部分が大函付近であったのです。川幅は狭くとも水の勢いは強く、ぐんぐんと層雲峡熔結凝灰岩の岩膚を削りとりその中の潜んでいた柱状節理をもつ函の姿を引き出していったのです。尚、大函の成因にはすぐそばのニセイチャロマップ川も関係しています。   (志賀 義彦)




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