「蕨山」は奥武蔵の中でも人気の高い山のひとつです。標高は1000mをちょっ
と越える程度ですが、岩場もあるため、なかなか侮れない山です。
西武池袋線飯能駅から国際興業バスに乗り、終点の「名郷」(なごう)で下
車します。バス停から入間側沿いに少し下ると、登山口の標識があります。
蕨入橋を渡り、蕨入林道に入ります。林道の終点には大きな堰堤があり、本
格的な登山道のスタート地点となります。
沢沿いの道を進むと、すぐに急登が始まります。周囲はスギの植林帯ですが、
ジグザグに登りながら高度を上げていくと、やがて尾根の上に出て、視界も
開けてきます。角度がゆるやかになった広い尾根道を進むと、周囲の木々が
雑木林に変わっていきます。再び傾斜が増してくると道が細くなり、岩場が
現れます。ここから名郷分岐点までは岩場の中で登り降りを繰り返します。
要所にはロープが張られていますが、落ち着いて登っていきましょう。
最後の険しい岩稜を越えて、急斜面を登りきると名郷分岐点に到着です。分
岐点の道標には、右が有間山、左が蕨山と表示されていますが、実際には、
有間山方面に蕨山のピーク(1044m)があります。頂上を示す小さなプレート
があるだけで、展望はまったくありません。
名郷分岐点から左にゆるやかに下り、登り返すとドーム状の「蕨山展望台」
に着きます。「蕨山」の標識があり、展望案内板が設置された“山頂”から
奥多摩や奥武蔵の山々を展望できます。実際の蕨山山頂を踏まずにここを到
着点としている人も多いようですが、せっかくですから、本来の蕨山のピー
クを経由したいものです。
蕨山山頂から急斜面を下り、金毘羅尾根を下山路に選びます。920mの「藤棚
山」(ふじだなやま)から大ヨケノ頭まで、自然林に囲まれたなだらかな気
持ちの良い尾根道が続きます。大ヨケノ頭から東へと向かう尾根道を通り、
小幅なアップダウンを繰り返しながら、小さな標識のある小ヨケノ頭を通過
します。雑木林もいつしかスギの植林帯に変わり、ほとんど傾斜のない道を
たどっていくと、やがて金毘羅山の山頂がみえてきます。
金毘羅山からは金毘羅神社跡を経て、右下に名栗湖(有間ダム)を見下ろし
ながら「さわらびの湯」に向かいます。
<問合せ先>
↓飯能市役所のサイト(平成17年1/1に名栗村と合併)
http://www.city.hanno.saitama.jp/
国際興業バス 0429-73-1161
http://www.kokusaikogyo.co.jp/index.htm
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@ひとっ風呂 <名栗温泉 さわらびの湯>
蕨山の下山路につくられた、名栗村営の日帰り入浴施設です。外部、内部と
もに木材をふんだんに使用した、林業の盛んな名栗村ならではのログハウス
風の建物が特徴です。内風呂は泡風呂とジェットバスがついた大きな石風呂
で、サウナ室もあります。木のデッキになっている露天スペースには小さな
ジャグジーがあり、風呂上がりには谷間の緑を眺めながら涼むことができま
す。
館内に食事ができる施設はありませんが、休憩室や自動販売機があり、持ち
込みも自由です。同じ敷地内には地元物産品の販売所や、手打ち蕎麦の店も
あります。
閉館時間が18:00と少々早いのですが、JR八高線の東飯能駅を経由して飯能
に向かう最終バスが17時台なので、ちょうど良いかもしれません。
<場 所> 埼玉県入間郡飯能市下名栗682-2
<電 話> 0429-79-1212
<料 金> 大人 800円、小中学生 400円 (3時間)
<営業時間> 10:00〜18:00
<定 休 日> 毎週水曜日 (祝祭日は営業)
<泉 質> アルカリ性単純泉
<効 能> 神経痛、関節痛、筋肉痛など
*山の状況は変わっておりますので、表示ルート・内容が異なる場合もございます。
地域の山小屋、観光課などにお問合せの上、自己責任において登山を行なって下さい。 |