西武線飯能駅(0:30)⇒能仁寺(0:20)⇒天覧山(0:30)⇒雨乞池(0:10)
⇒多峰主山(0:10)⇒御岳八幡神社(0:20)⇒本郷バス停(バス 0:10)⇒飯能駅

歩いて行く場合は、駅を出て中央通りの商店街を西に向かい、図書館にぶつ
かったら、そこから入間川沿いの名栗街道を進みます。天覧山下バス停から
右折し、市民会館前の緩やかな坂道を登ると能仁寺（のうにんじ）にぶつか
ります。東側の公園から樹林をくぐる遊歩道を進むと中段の広場に出て、こ
こで道が分かれます。左に行くと十六羅漢像を経て頂上に出られますが、右
側の方がポピュラーでしょうか。左手の道を行くと、休日には崖からひょっ
こりと顔を出すクライマーをみることができます。小さな岩場ですが、岩登
りの練習場になっています。天覧山の山頂からは、飯能の街並みや奥武蔵高
原が見渡せますから、茶屋でキヌカツギを仕入れて、腹ごしらえしながらの
んびりするのもオススメです。

天覧山は名前が三度変わっています。最初は愛宕山。山頂に愛宕権現を置い
ていたからです。次が羅漢山。五代将軍徳川綱吉が大病を患った時に、生母
である桂昌院が、快癒祈願がなったお礼に十六体の石仏を寄進したことに由
来しています。先ほどの十六羅漢像がそれです。そして今が、天覧山。明治
16年に陸軍大演習があり、その際に、天皇がここから近衛兵を統監したのを
記念して改名されました。頂上にはその記念碑も建っています。

多峰主山へは記念碑裏の松林から中腹の東屋を通り、一端平地に降りてしま
います。小川に沿って歩いてから、再び登り返します。傾斜の緩やかな坂道
ですが、ここが源義経の母、常盤御前の伝説のある「見返り坂」です。登り
きると、雑木林の中の気持ちの良い散策路が続きます。奥武蔵自然歩道から
の道を合わせると、間もなく男坂と女坂に分かれます。男坂は山稜伝いに進
みますが、女坂を行くと雨乞池を通り、右の石段を登ると武蔵、上野、上総
の領主だった黒田直邦の墓に出ます。多峰主山へはここからすぐです。

多峰主山の山頂は明るく開けており、奥武蔵や奥多摩の山々と関東平野の広
がりが見事です。良く晴れた日には、新宿や池袋の高層ビル群もみることが
できます。山頂標識の傍らにある経塚は石に経文を記して埋めたもので、古
くから信仰の山であったことを表しています。

帰路は本郷を目指します。御岳八幡神社から前岩を経て、一気に下ると名栗
街道に出ます。ここから左に行くと、本郷のバス停です。

＜問合せ先＞
飯能市商工観光課　TEL:0429-73-2111
国際興業バス　　　TEL:0429-73-1161
---------------------------------------------------------------------
@能仁寺
創建は戦国時代で、豪族であった中山家勝が開いた禅道場です。その後、中
山家、黒田家の歴代領主の菩提寺として栄えましたが、幕末の飯能戦争の時
に本陣となり、戦火を受けて宝物類を焼失してしまいました。京都の寺院の
ような風情があり、特に本堂北庭の「池泉鑑賞式蓬莱庭園」は見事で、桃山
時代の造園と推定され、飯能市の指定文化財になっています。

@見返り坂の飯能笹
多峰主山の登り口に自生する「飯能笹」は、飯能地方だけにみられる笹の珍
種で、葉が幹の上部に掌状につき、上面は無毛、下面は細毛でビロード状に
なっているのが特徴です。牧野富太郎博士が発見し、埼玉県の指定天然記念
物になっています。