武尊山は古くから山岳信仰の対象となってきた山で、山名は日本武尊(やま
とたけるのみこと)の東征伝説にちなんでつけられたといわれています。北
アルプスの穂高岳と区別するために、“上州武尊山”と呼ばれることもあり
ます。
JR水上駅から、タクシーで裏見ノ滝駐車場まで入ります。自家用車の場合も
同じ駐車場を利用することになります。まずは駐車場から武尊神社の前を通
り、武尊沢林道をたどって林道終点まで入ります。林道の先の山道を歩いて、
ほどなく分岐点に出たら右に進み、剣ガ峰山に向かいます。なお、左の道は
須原尾根から沖武尊に向かうコースで、下山路として利用します。
分岐点から武尊川沿いにブナ林の中を進みます。武尊沢渡渉点で沢を渡り、
尾根に取り付いたらいよいよ急登の始まりです。両手両足をフル稼動しなが
ら、木の根が露出した岩混じりの登りにくい道を進んでいきます。尾根が細
くなり、傾斜がゆるんできたら、樹林の間から、右に獅子ヶ鼻山(1875m)、
左に沖武尊がみえてきます。再び視界のない林の中をひと登りすれば、剣ガ
峰への分岐点に到着です。
分岐点から右に向かい、岩尾根状の地形を巻くように登れば剣ガ峰山の山頂
に着きます。標高2020mの剣ガ峰山は沖武尊から前武尊に続く稜線の絶好の展
望台で、“西武尊”とも呼ばれています。北東には沖武尊への稜線が、南に
は川場キャンプ場からの登路である谷地尾根が伸びています。
剣ガ峰への分岐まで戻り、こんどは沖武尊に伸びる稜線をたどります。小さ
なアップダウンを繰り返しながら、草原状の気持ちの良い尾根を快適に進ん
でいきます。最後のガレ場の急坂を登れば沖武尊の山頂です。沖武尊は一等
三角点が置かれた武尊山の最高地点で、広場には石祠、石碑、方位盤があり
ます。展望は360°に広がる大パノラマで、谷川連峰、至仏山、燧ケ岳、日光
白根山、皇海山、赤城山、榛名山を見渡せます。
帰り道は、沖武尊から上ノ原に下るコースをとります。ハイマツに埋もれた
尾根を下っていくと「藤原武尊」と呼ばれる岩場に着きますが、ここからは
“行者ころげ”と呼ばれる岩場の下降になります。足場に注意をしながら、
数ヶ所に張られた鎖やロープを頼りつつ慎重に降りていきましょう。
岩場から樹林帯の下りに変わってしばらくすると、尾根の右下に手小屋沢の
避難小屋がみえます。水場もあるので、避難小屋で一休みするのも良いかも
しれません。尾根に戻るとすぐに武尊沢林道へ下る分岐点に着きます。左に
下り、ブナの樹林帯の中をジグザグに急降下していきます。「そろそろ下り
に飽きてきた」と思った頃に傾斜がゆるみ、往路で別れた林道終点近くの分
岐点に到着です。あとは林道をたどって裏見ノ滝駐車場に戻ります。
タクシーを利用する場合は、入山時に帰りの予約をしてください。タクシー
待ちの時間があれば、武尊神社下の「裏見ノ滝」の見物をしていきましょう。
落差が80mほどある豪快な滝で、名前の通り、滝を真裏から眺めることもでき
ます。
<問合せ先>
水上町役場 0278-72-2111
↓水上町観光商工課のサイト
http://www9.wind.ne.jp/minakami/
*山の状況は変わっておりますので、表示ルート・内容が異なる場合もございます。
地域の山小屋、観光課などにお問合せの上、自己責任において登山を行なって下さい。 |