★戦前は一緒だったのに

戦前は一緒だったのに 仰ぐのはもう違う旗

ありふれた交渉で北は遠ざかるだけ
冷たく切り裂いた国土は寂れるばかり
そんな格好悪さが生きるということなら
寒い現実に 目を閉じていよう

戦前は一緒だったのに
手紙ひとつ届かない 加速していく孤立に今は
戦前は一緒だったのに 仰ぐのはもう違う旗
せめてこの月明かりの下で 静かな眠りを

運命とうまく付き合っていくならきっと
哀しいとか淋しいなんて言ってられない
何度かつながった言葉を無力にしても
テーハンミングを潰したいんだね

戦前は一緒だったのに
折り合えぬ二国に今 たどりつける場所などないんだ
戦前は一緒だったのに 初めて会う同胞に
不思議なくらいに憎まれてる 戸惑うくらいに

国民はどこにいる? どこに吹かれていく? その胃の腑が迷わぬように

戦前は一緒だったのに
手紙ひとつ届かない 動き始めた難民の行列
戦前は一緒だったのに 仰ぐのはもう違う旗
せめてこの月明かりの下で 静かな眠りを

(「あんなに一緒だったのに」See-Saw)


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