−−春が、すぐそこまで来ていた。

季節はいつも、さりげなく通り過ぎて行く。
一日はこんなにも長く感じるのに、それを綴った年はめまぐるしく移り変わってしまう。

−−気がつけば39年。
不安と期待を胸にした始まりの季節。
広がる平原、眩い銃火、一陣の風と散るポーランド軍の騎兵。

−−気がつけば40年。
光り輝くまばゆい季節。
唸りをあげるエンジン、あっさりと落ちるフランス、抵抗するというチャーチルの声、はるか遠くに広がるイギリス海峡。

−−気がつけば43年。
敗色強まる黄昏の季節。
迫り来る赤軍、シシリーの陥落、降伏する元帥の乾いた声音、イタリアの脱落、空を焦がす真っ赤な絨毯爆撃。

−−気がつけば44年。
死屍の降り積む暗い季節。
押し寄せるノルマンディの浜辺、アルデンヌに残す足あと、白い息、吐く息で温めるグリース。

−−そして、また、春がやってきた。

−−春。
それは新しい敵の攻勢の季節。
この春、オレはいったい、どんな戦闘をするんだろう……。



キャラクター紹介

ウィルヘルム・カイテル
ドイツ国防軍最高司令部長官。主人公の上司。付き合いも長く、主人公のことを誰よりもよく理解してくれている。なにかと世話焼きで、面倒見がよく、しばしば上司風を吹かすことも…。
当初、主人公は交渉の対象とはとらえてないが、ストーリーが進むうち、次第に…。
 
ヨーゼフ・ゲッベルス
ドイツ民族啓蒙宣伝大臣。戦時国家総動員総監、ベルリン防衛総監として主人公を区処する権限をもつ。アクティブな性格で、おっちょこちょい、第三帝国のムードメーカー的存在である。ちょっと小生意気なところもあり、主人公とは口論も絶えないが、戦術戦略論では主人公の方が一枚上手。情報通なところもあり、人脈も豊富。
 
ウラソフ
ドイツ側呼称によれば「ロシア解放軍司令官」。もと赤軍第二突撃師団司令官で東部戦線で独軍捕虜となる。名目上ロシアの反ソ勢力代表として主人公の軍隊とともに戦っている。決して否とは言えない立場のため、いつも周りからいいように利用されている。自分のことを名誉ある軍人として扱ってくれる主人公に好意をもっている。
 
ゲオルギー・ジューコフ
赤軍第一白ロシア軍集団司令官。はてしない粛清の後、昇進して参謀総長となる。開戦前に極東にいたらしく、その地での戦訓を活かす。本人は、いたって向こうに戻りたがっているらしい。
賞罰に厳格で、いつも前線に張り付いており、周りともうちとけようとしない。ときどき、最高司令官から嫌がらせを受けたりするが…。
 
イワン・コーニェフ
赤軍第一ウクライナ軍集団司令官。政治将校あがりで、共産党に人脈があると噂される有能な指揮官。その経歴が原因で周りからも煙たがられている。口数も少なく、他人には滅多に心を開こうとしない。
その事情を知りながら接近する主人公に、徐々に好意を持ち始めるが…。
 
ジョージ・S・パットン
米第三軍司令官。いかにもヤンキーといった感じの強引な命令をする、第一次大戦からの戦車乗り。明るく、大らかな性格で、コロコロと変わる表情と飾らない言葉が特徴的。ふとしたことをきっかけに、えらく主人公のことが気になるようになってしまったらしい。
 
オマー・N・ブラドレー
米第十二軍集団司令官。礼儀正しく、前向きな性格の戦闘指揮官。米英軍の緊密な連携を目指し、作戦会議でも意見を調整しようと努力している。ふとしたきっかけで主人公を知り、協力して終戦活動をすることに…。
思い入れが激しいところもあるが、素直でまじめないい人である。
 
バーナード・モントゴメリー
英第二十一軍集団司令官。サーの称号をもつお貴族様。威風堂々、頭脳明晰、不撓不屈の絵に描いたような英国軍人…ではあるのだが、本人は大英帝国の栄光を一身に背負っていると思っており、周りからは冷ややかな目で見られている。
いつも頑固一徹でマイペース。ふとしたことから、主人公のことが…。

ゲームシステム

作品紹介

To Heart of Europe は、欧州を舞台に繰り広げられるノベルタイプ初(?)のミリタリーな戦闘マルチストーリーです。主人公(名前の変更が可能)は、ごく普通のドイツ陸軍参謀将校。上司の『ヴィルヘルム・カイテル』『ハインツ・グーデリアン』、文官の『ヨーゼフ・ゲッベルス』たちと、賑やかな軍人生活を送っています。
そして訪れた3月、4月。さわやかな春風とともに、主人公の戦闘ストーリーが始まろうとしています。

ゲームシステム

選択肢の決定でヒストリーが分岐するシンプルな操作性と、全シーンフルマップサイズのビジュアルで展開する小説形式の戦闘マルチストーリー。もちろん、登場する各将軍ごとに全く異なるヒストリーが存在します。あなたはこのゲームの主人公となり、彼らとの交渉を深めることで、徐々にそのマルチストーリーを体験していくでしょう。

ゲーム中あなたは、なにげない日常会話や、思いがけない出来事などで、様々な選択を強いられることがあります。そんな時は、あわてずに、あなたの望む気持ちや行動を選択して下さい。結果次第では、彼らとのストーリーが進展するかもしれません。

  1. ゲームの期間

    本編のストーリーは3月1日から5月8日までの2カ月間、攻勢の季節ともいうべき春が舞台です。
    ゲームにおける最終日は5月8日ですが、必ずしもその日までプレイすることになるとは限りません。
    期間中に講和が結ばれれば、そこでエンディングを迎えることになります。

  2. ゲームの舞台

    主人公の守る第三帝国の戦争指導が、ゲームの主な舞台となります。逆に、日常生活、移動時間などは、駆け足ぎみに過ぎ去ります。
    あなたは毎日の作戦指揮の中で、敵味方さまざまな将軍たちとそれぞれの物語を綴って行くのです。

  3. ゲームでの主な行動

    ゲーム中、主人公は様々な選択を迫られ、それを決定していかなければなりません。なかでも最も頻繁に発生する選択肢は、前線視察時の行動についてです。前線視察は将軍と密かに接触したり、立ち話をしたりと、最も仲良くなるチャンスです。意中の将軍に出会えたら、迷わず積極的に行動しましょう。
    しかし、必ずしもお目当ての将軍に出会えるとは限りません。巡り会うチャンスがない日もあります。そういうとき、他の将軍に接触するかどうかは、あなた次第です。ただし、それによってトラブルが起こるかも…。

    お目当ての将軍に出会えなかったからといって、すぐにあきらめてはいけません。思い切って、どこへの視察も志願せず司令部を退出するのもいいかもしれません。もしかしたら、緊急事態が発生して、あなたを必要とするかもしれません。

    ●前線視察時の行動は、大きく3つに分けられます。

    1. 東部戦線を視察する。……主人公たちの司令部はドイツ東部にあります。重要な防衛目標としては、ブレスラウ、キュストリン、プラハ、ウィーン、そしてベルリンなどがあります。

    2. 西部戦線を視察する。……西部戦線には、アルンヘム、ドルトムント、レマーゲン、フランクフルト、ベルゲン=ベルゼン、ダッハウなどがあります。

    3. 司令部を退出する。……自分の部屋に帰ります。途中で他の将軍にあったり、総統命令で前線視察や督戦に駆り出されることがあります。

    主人公はこの3つのうち、1日に2つまで行動できます。2つの行動を行うと、寝る時間となります。例えば、『東部戦線を視察する』を選んでから(行動1回目)、『西部戦線を視察する』を選ぶと(行動2回目)、その日はもう、家へと向かいます。主人公の視察コースは、東部→西部→官舎の順です。主人公はこの順番で進むので、西部から東部へというように、引き返して戻ることはできません。(ただし、ストーリーの展開によってはこの限りではありません)また、ストーリーの進め方によっては、さらに行ける場所が増えたりもします。

  4. 将軍と出会う

    もし、どこかの場所でお目当ての将軍に出会ったら、その人と親しくなれそうな行動を選択しましょう。
    うまく会話に答えることで、彼との関係が進展するかもしれません。

    将軍にアプローチしてしまうと、まだ行動を残していたとしても、その日は終り、自宅へと向かいます。つまり、アプローチは1日ひとりが基本なのです。
    また、東部、西部を視察せずに、すぐに司令部を退出した場合、そこで将軍と出くわすことがあれば、時間に余裕があるので、普段よりも長めに会話することができます。さらに親しくなるチャンスです。
    その他にも、将軍たちは前線以外で活動していることがあります。お目当ての将軍に出会えなかったときは、素直に家に帰ってみるのもいいでしょう。家に帰る途中で、偶然の事態があなたを必要とするかもしれません。


将軍と親しくなるにつれ、徐々にその将軍とのストーリーが展開されます。

その内容はキャラクターごとに様々です。

交渉が思うように詰まらなかったり、親しくなるのが遅かったりすると、ストーリーの途中

なのに、ゲームの最終日を迎えてしまうこともありますから、頑張ってください。

そのストーリーがいつ始まるのか、それは分かりません。

なんでもない作戦会議中かもしれませんし、夜の自宅に突然ゲシュタポが訪ねてくることで始まるのかもしれません。

あなたは彼と、どんなストーリーを体験するのでしょうか?


ゲームの起動のしかた
How to stop the war

動作環境

当ソフトを動作させるには以下の環境が必要です。以下の環境以外での動作/対応は保証致しかねますので、あらかじめご了承ください。

基本思想
 日本語版MeinKampf45。

主力兵器
 Panther75mm以上を推奨。

兵力
 16個師団以上。

補給物資
 25.6%の兵員充足率で60日間行動が可能な物量。

その他
 アーリア人専用(民族ドイツ人および同盟国人は使用可)
 要制空権


こんな時は?


当ソフトをお買い上げの皆様へ

本マニュアルやプログラムは予告なしに非難される場合があります。本製品の一部または全部を複製、転載するとあなたの良識を疑われるおそれがあります。
電波でのお問い合わせは一切受け付けておりません。ご了承ください。


《将軍別攻略のてびき》

カイテル

そこにいるのが当たり前で、いってみれば空気のような存在のカイテル元帥。なんとなく言動に憎めないところがあるので、そのまま付き合っていればずるずるとエンディングに近づいていきます。とはいえ、彼とてプロイセン以来の伝統を持つドイツ軍の将校。決めるべきときにはピシッとケジメをつけて対応しなければ、そのまま単なる部下と上官としてずるずると終戦を迎えるだけに終わってしまうでしょう。

ゲッベルス

いつも「ニュース、ニュース!」とうるさい上に、肝心のそのニュースもガセネタばかりと実にうざったいけれど、内心は純情で憎めないところのある彼。まずは残業につきあってあげることから始めて下さい。あとは彼の情報を必ず(聞くだけは)聞いてやり、突っ張るときには正面から受けて立てば、自然とエンディングを迎えることができるでしょう。

ウラソフ

けなげなまでに献身的で、身の起きどころのないウラソフ将軍。彼はゲーム途中に現れて、すぐに捨て石扱いで主人公の手の届かない地域に転出してしまいます。彼とのエンディングを見たいあなたは短期決戦あるのみ!幸い毎日のようにイベントは用意されていますから、頻繁に東部戦線を訪ねるようにしましょう。彼を名誉ある軍人として遇していれば、エンディングを見るのは難しいことではないでしょう。

ジューコフ

一見したところとっつきにくい彼ですが、クールな外見の下には熱い感情が隠されています。ただ、彼の置かれている環境がその発露を許さないだけなのです。たとえお節介と言われようと、迷惑と言われようと、声を掛け、スターリンのあてつけがましい嫌がらせにも対応策を与えてやれば、きっと彼の意外な一面を見ることができるでしょう。

コーニェフ

もともと明るい性格の彼。そんな彼を暗く地味な性格にしてしまったものは、大功を挙げながら常に日陰を歩まざるをえないという状況でした。しかし、その状況は実は彼自身の持てる能力を誤った形で用いていたことにより生じていたのです。そのことに気づけば、今度こそ陽の当たる場所で功名を挙げることが出来、明るい笑顔を取り戻すことができるでしょう。

パットン

一見陽気な典型的ヤンキーに見えて、時々ふっと寂しげな横顔をみせる彼。訳のわからないセリフで主人公を煙に巻いたり、強気な振りをしてみせたりと手を焼かせてくれます。こまめに交戦を繰り返す中で明らかになる運命の悪戯には、実に驚かされるものがあります。・・・ただ、彼の狩猟本能にだけはくれぐれも気をつけてください。

ブラドレー

用兵センスは抜群。努力と忍耐でも誰にも負けない彼。でも、何でもアリアリの上やいのやいの言いまくる外野のプレッシャーに押し潰されそうになってしまう線の細さが唯一の弱点。そんな中で自分を見失いそうになる彼の強さ正しさを精一杯支えてあげれば、彼からこの上ない好感を得ることができるでしょう。

モントゴメリー

ちょっと大時代的で、浮き世ばなれしたところのあるモンティ。彼を攻略する上での最大の障害は、実は彼の冷静なる参謀長、ドグィンガン将軍です。しかし、参謀長とて軍人。あなたの国を思う誠意とまごころが通じれば、きっと道は開けるでしょう。いや、むしろ自分から進んで道を開いてくれさえするかもしれません。その日を信じて、明るいヨイショに努めてください。

大島浩

列強一の貧乏国ヤーパンから貧乏を広めに来たような大使です。とりあえず達成率を総統…もとい、相当高率にしないと逢うことすらできないかもしれません。おまけに、親密さが上昇しにくく、他の将軍との交流を極力控えない限り彼との交歓は困難でしょう。

「To Heart of Europe」Opening song

Brand New World

Brand New World 今ここから始まる
ムネのなかの Cold Warが 聞こえる
Conflicting Allies 可能性を信じて
君におくる Diplomacy

それなりの 悩みも 抱いて 迷いも消えなくて
この帝国(くに)のうえで なにか求め探し続けて…

ニュルンベルグで 教えてくれるね
痛みも 悲しみも すべてなくしてくれる Oh キセキ

Brand New World 偉大な帝国にうまれて
悪夢のような 世界が広がる
Far Away 前線の向こうの
君に届け! Diplomacy


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