1997年4月30日 利尻山頂
日程 96年4月27日(土)〜30日(火)
メンバー 山岳会のIさん
コースタイム
27日 22:00 札幌 〜 急行「利尻」
28日 〜 6:00 稚内 〜 フェリー 〜 9:10 利尻鴛泊港 〜 タクシー
〜 9:40 鬼脇林道 〜(東稜)〜 13:00 ビバーク地(標高800m)
29日 5:00 出発 〜 9:00 松が峰 〜 11:10 鬼脇山 〜 15:00南峰(Iさん)
〜15:30 北峰 〜(北稜)〜 17:20 避難小屋
30日 5:00 出発 〜 6:40 甘露泉 〜 7:50 フェリーターミナル
〜フェリー、急行 〜 18:30 札幌
利尻島が近づいてくると、山の全容をはっきりと見ることが出来た。去年の夏来たときには、ついには拝むことが出来なかったものである。この好天が続いて欲しいと祈る。
フェリーターミナルよりタクシーで、鬼脇林道の残雪の残るところまで入り、そこから歩く。雪はしまっていて歩きやすい。トレースはまったくない。しかし、東尾根には難なくとりついた。
そのまま尾根沿いに登り、かなり早い時間に、雪洞掘るのに適当な場所を見つけた。雪洞は、はじめての体験である。全部掘るのに、かなりの時間と労力を消費したが、行動時間が短かったので、15時前には堀り終えて、乾杯することが出来た。明日の好天を期待して早めに眠る。
翌日、朝起きて雪洞から出ると気持ち悪いぐらいになま暖かい。小雨が少しぱらついていた。前日に聞いた天気予報では、午後から回復ということであったので、それを頼りに出発することにする。
前日とはうって変わって、腐れ雪のラッセルに悩ませられる。落とし穴みたいな深い場所もしばしば。また、稜線を忠実に行ったので、ハイマツの薮こぎもかなりあった。途中、ザイルを使うところが1カ所。全然問題なかったなと思ったら、ピッケルを忘れるチョンボ。ここで単独行の人に抜かされる。
疲労しきって鬼脇山につく頃にはお昼が近い。天気は予報通り良くなって晴れてきた。ただ、山頂付近にガスがかかって来ているのが気になる。
鬼脇山の先は、ナイフリッジと雪壁のトラバースの連続。かなりの緊張を強いられる。悪いことに、ガスがかかってきて視界も悪くなっていく。しかし、あと1ピッチというあたりから、ガスが急速に晴れてきて、青空が広がっていく。最後の急登を終えて、北峰と南峰の間のコルに到着。
南峰にはIさんだけが登る。私は岩登りの実戦経験がほとんどゼロなので、棄権。懸垂下降で降りてくるIさんを待って、北峰へ。
しかし、ここもザイルが必要な岩壁であった。緊張。それに、独立峰だけに風が強く、煽られるし、寒い。かなり恐い思いをして、2ピッチで登り切る。素晴らしい展望。視界を遮るものは何もない。北海道のサロベツ原野、礼文島、樺太。そして、利尻島が利尻山であるのが良く分かる。
長居したかったが、寒いし、時間が遅いしで、早々に立ち去る。北稜は一転して、幅が広く、トレースもたくさん着いている。登頂を果たした充実感に酔いしれながら、リラックスして降りていく。避難小屋はちゃんと掘り起こされていた。泊まりは、他に4、5人ぐらい。すでに、酒もつきていたので、早々に寝る。
翌日、朝一番のフェリーに乗るために、早く出発。ただひたすら歩くだけ。フェリーターミナルでビールで乾杯。この日も天気が良く、ほんとにラッキーだった。あとは、フェリーと急行で札幌へ。ほとんど寝ていた。